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南部藩 母銭聚泉譜
   
→ H氏おたずねもの集へのリンク → 石ノ巻銭母銭聚泉譜へのリンク
 
背盛大様錫母銭(外径30.3o)

背盛の錫母です。大きさは3cmを超えて、さすがに雄大。
錫は保存が難しいので、これを収集される方はかなりの実力と古銭に対する愛情と病気をお持ちです。

外径30.3o 内径21.1o 背内径21.15o
背盛大様母銭(外径29.85o)

ござすれ型の母銭。しかしながらこの大きさは立派です。
背盛にも30o超えの母銭が稀にあると言います。

外径29.85o 内径20.85ミリ 背内径20.8o
背盛通脇輪凹錫母銭(外径28.97o)

少し小型ながらこれも立派な錫母です。通脇に瑕があり、このタイプの母銭、通用銭もあるようです。以下にその類を掲示しています。

外径28.97o 内径20.48o 背内径20.48o
背盛通脇輪凹錫母銭(外径28.9o)

錫母が2枚あるということは原母段階で瑕があるということなのでしょう。それとも何かの符丁なのでしょうか?

背盛通脇輪凹母銭(外径28.3o)

上の錫母の系統から生まれたものでしょう。
やはり通脇輪内側に瑕があります。

背盛通脇凹輪母銭(外径28.05o)


ござすれ末鋳様の母銭ですね。ここまで瑕が残っているなんて・・・。見つけるほうも執念に近いものを感じます。

外径28.05o 内径19.85o 背内径19.84o
背盛通脇輪凹米字刻印(外径28.27o)

こんなものもあるということ・・・。いやはやよくぞここまで見つけて下さいました。それともこのタイプのものは数があるのでしょうか?色調も異なります。

外径28.27o 内径19.97o 背内径19.81o
背盛通脇輪凹(通用銭)

ついに通用銭まで発見とは・・・恐れ入りました。

外径27.5o 内径19.6o

背盛小様母銭(外径26.59o)

この手のものは案外小さいほうが少ないと聞いたことがあるような気がします。26o台はかなり小さいと思うのです。
背盛浄法寺異足寶

寶足が隷書風に変化し、カギ状に曲がります。
聞いた話ですがこの手のものは古い時代の山内通用の様式(風貌)を残していそうです。

※私も1枚保有してますが浄法寺らしくない風貌です。これについては専門家にもっと聞きたいなと思います。

→ 密鋳四文銭タイプ別分類研究

マ頭通大様母銭(外径30.05o)

ついに出た!30o超えの母銭です。これは貴重です。
マ頭通大様母銭(外径29.45o)

マ頭通は銭径の大小こそ著しく異なるものが存在するものの、比較的製作が安定してばらつきは背盛や仰寶ほどないといわれますが・・・それでもかなりバラエティは存在します。
マ頭通(通用銅銭)

外径27.42oの通用式と思われる銅銭です。
マ頭通にも次鋳と思われる小型銭が存在します。
仰寶大字母銭(外径28.7o)

文字全体が大きく目立ちます。やはりいくつかの銭座で使用されたと思われます。
仰寶大字米字刻印母銭(外径28.4o)

米字刻印銭については語る資格はないのですが、刻印の位置はさまざま・・・本品は面は寶・永字脇、背は上下に打たれているようです。
仰寶米字刻印母銭(27.40o)

刻印ではなく極印とすべきかもしれませんが、公のものではなさそうなので刻印としています。
本品の刻印位置は面背とも通寶脇です。本品は雰囲気から次鋳母銭と思われます。
仰寶米字刻印母銭(外径28.90o)

本炉系でしょうか?製作もしっかりしています。
仰寶母銭最大様(外径29.5o)

私の保有品は29.2oで鋳放し銭です。これは仕上げがされていて29.5o。30o超えの仰寶は幻なのでしょうか?
仰寶はどちらかといえばありふれた雑銭のほうなのですが、これだけ大きいと珍銭の部類にはいると思います。
仰寶母銭(外径27.4o)

これは通常のサイズの仰寶。あるいは次鋳?
仰寶通用銭(外径27.4o)

こちらは別炉の香りぷんぷんの一品。浄法寺系か?
仰寶贋作米字刻印母銭

贋作ということだが鑑識のポイントが分かりません。分かったとしても書けませんが非常に精巧です。
白いものは石膏?
背盛母銭星型刻印(参考)

上棟銭かもしれませんが星の意味が分かりません。
タイプは違いますが刻印銭のなかに星刻印のものを私も持っています。いずれにしてもお遊びの類。

→ 刻印銭の類
大錯笵銭(背盛逆背)

通用銭の大錯笵銭。鋳型崩れによるものであろうと思いますが、ここまで崩れたら見事です。

→ 錯笵銭物語
背盛マ頭通

なんだこの雑銭は・・・と、思うことなかれ。泉譜のどこにもそんなものは書かれていません。
すなわち、これは大珍品あるいは新種なのか?
ともかく私にはこれを語る資格はありません。
 
H氏 コレクションあれこれ・・・・
H氏からいただいた画像あれこれ・・・まとめてご紹介致します。
 
明和期俯永面背刔輪
外径27.94o 内径21.39o 背内径22.39o

俯永面背刔輪といえば大島延泉氏が見出し、発表したものの泉界の評判はいまひとつ盛り上がらず審議品のレッテルを貼られてしまっているものです。明和の大字と同じような稀品でありながら、この待遇の差は何!?
しかしながらこの品はすこぶるの良品。原品を見た方の報告では一点の曇りもないというようなご意見を頂戴しています。

※私も原品を見ました。すばらしい品、贋作としてのいやらしさや矛盾点が見当たりません。私もこの品は支持します。
文久様俯永手
外径27.05o 内径20.69o 背内径21.00o

泉界における文久様の評判もいまひとつ芳しくありません。しかしながら実際の選り出しの報告もあり、確実に存在するものでもあるようです。問題は制作が端正すぎること・・・と、市場評価が上がりすぎてしまっていることか?
所詮、密鋳・・・だと思えば、数の少なさも納得が行くのです。過熱しないことが肝要かと思いながら、私自身が一番危ない存在なのです。

明和期小頭通
外径27.15o 内径21.29o 背内径20.96o

小頭通は確実に存在すると認められながら、やはり存在は少ない品。もしかするとこれは暴々鶏氏のいう最近東北で選り出されたものなのかもしれません。ネットオークションから選り出したというK氏の報告もあり、あるところにはあるんですね・・・私には縁がないようなのですが・・・。

文政期小字白銅銭
外径28.54o 内径20.66o 背内径21.29o

内径が小さく覆輪されていて確かに文政・・・でも本当に白い。目下、私の垂涎の存在。10万円でも欲しい!
銅替りとしては最高位にある品でしょう。

※原品を拝見しました。あそこまで白いとは・・・想像を超えていました。研究熱心なH氏は、文政小字を磨いたり加工したりして同じような色は出ないか実験されていました。もちろん、このような自然な色合いは絶対でません。
安政期小字異足寶
外径27.6o 内径20.7o 
寶後足が奇妙にゆがみます。おたずねもの集にも掲載した一品物です。
安政期磨輪小字小様(密鋳?)
外径27.15o 内径20.29o 背内径20.96o
安政期はやや大ぶりなものが多いのですが、これはちょっと小さい。ただ、背の風貌から感じるのは密鋳の香り・・・。
安政期小字(黄銅質)
外径28.06o 内径20.61o 背内径21.52o
これは比較的見かける真鍮質銭です。写真では良く分かりませんが良い色をしていたのだと思います。
安政期小字玉爪寛
外径28.2o 内径20.65o 背内径21.5o
これもおたずねもの集に掲載されている一品物です。
亀戸銭中字写銀銭(伝、雉狩り銀銭)
仙台は雉狩銀銭で有名です。いわゆる恩賞用のメダルなのですが地元の人によると、後作=贋作と当時作を簡単に見分ける方法があるとか・・・。
私も教えて頂いていますが書けません。
近代作は、製造用具と材料が違うんですね。
 
亀戸銭中字写銀銭(伝、雉狩り銀銭)
亀戸銭繊字狭文無背写銀銭(伝、雉狩り銀銭)
これも地元収集家選り出しの品。画像で見るとおもちゃか上棟銭のようにしかみえません。
藤沢・吉田島縮字写 踏潰様
画像で見る限り、表なんだか裏なんだかわからない粗製品ですが、延展されているようです。
寛文期亀戸銭正字背文大型銭
外径25.90o 内径20.08o 
26oに迫る大型銭。しかしながらつくりはごく普通の寛永銭です。文銭は奥が深い。
寛文期亀戸銭退点文欠叉文
外径24.76o 内径19.9o
寛文期亀戸銭退点文小文大様
外径25.6o 内径20.0o 背内径18.3o
退点文で25.3oを超えるものは大きい。25.5oは巨大。それを超えればもう最大です。
寛文期亀戸銭退点文入文様(白銅質)
外径25.2o 内径19.8o
入文様・・・ですから入文ではないのかしら?
退点文にも入文は確認されていますがかなりの希少品。私もまだ未確認です。
寛文期亀戸銭退点文直一異文
外径25.0o 内径20.0o 
明らかな横ずれによる横幅の広い文の文字が特徴です。
文の前足が陰起していて下部で切れています。
寛文期亀戸銭中字背狭文三王寶
寛文期亀戸銭繊字小文長点珎寶
寛文期亀戸銭繊字小文長点珎寶
古寛永水戸降通背星大様母銭
外径25.74o 内径20.40o 
古寛永仙台大永大様
外径25.95o 内径20.10o 
古寛永は一部のものを除き、25ミリを超えることでさえ稀です。まして26oに近いこの銭はあきらかな大様です。
宝永期亀戸銭耳白銭背濶縁
外径24.93o 内径19.60o 背内径16.96
寛文期亀戸銭中字背文欠水永母銭
永字のノ画と最終画が欠損していて永柱に接せず離れています。通用銭の発見なるか?
寛文期亀戸銭正字背文母銭大型銭
外径25.91o 内径20.63o
こちらは母銭。それにしても大きい。AAAクラスです。 
寛文期亀戸銭正字背文深冠寛
寛の前垂れが長いもの。今のところ一種としては確立していないようですが、類品の報告も聞きます。