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特 別 展 示 室 (2)
 

 

【特別展示品 その16 : 仙台生まれ?】

濶字低頭通大字 と 絵銭 御蔵銭寛永駒引き と 正字手破目寶大様銭 と 長足寶小様天保

【評価 少】
古寛永の仙台銭と一般に呼ばれるものは、はっきりいって寄せ集めです。大永、跛寶、濶字、濶字手、正永、寛字、長尾永など書体や制作に統一性が見られません。
強いて言えば、各書体に刔輪技法による通用銭が存在することぐらいで、それを根拠にグループをまとめたようにも思われます。

ここに掲示した濶字大字は、一般的な仙台銭特有の鋳肌の粗さが見られません。正永と同じ様ななめらかな肌です。これについては類品をあまり見た事がないので分かりません。
普通の濶字低頭通でさえ貴重なのですが、本銭はその初出のものとされる大字大様銭です。ただし、一見して特長がはっきりしないのもたしかで、入手直後はどこが仙台銭なのか悩んだのも事実です。
私も入手後に鑑識ポイントが寶王の大きさと通頭の形状であることをようやく理解しました。

仙台絵銭は比較的新しい絵銭ではないかと思いますが、とても純朴で味のあるもの。仙台絵銭という名前ながらなぜか面文書体は浅草橋場銭座ともいわれる御蔵銭風です。
入手先は銀座コインオークションです。

正字手破目寶大様銭はインターネットで入手しています。これは貨幣誌原品だということです、なるほど気持ちよい?ほど大きな古寛永です。外径25.6㎜という触れ込みでしたが、実測では25.7㎜ありました。面はやや刔輪されていて背はみごとな濶縁になります。制作も少し彫が深く、手本銭のような感じですね。古寛永泉志には不載ですが、収集の穴銭入門、古寛永の部には掲載されていて10万円超過の評価がされています。
残念ながら大きく欠けていますが、楽しむには十分だと割り切っています。
【評価 3】
【評価 少】
【評価 稀】 仙台長足寶小様は藩鋳天保の基本銭というべきものなのですけど 、人気があってなかなか手を出せないでいました。鋳肌の勉強にはなくてはならないサンプルなので、状態の良いものを探していました。
広郭でありながら覆輪刔輪で寶足が長く、天の第一画が太く修飾されています。いずれも刔輪をごまかすためでしょう。広郭なのは嵌郭によるものかもしれません。
入手できないなと思っていたら気が付いたら3枚ほど入手しておりましたが、これがまずまずの状態のもの。魚鱗状の肌と言われる魚子肌がきれいに出ています。
仙台銭は少ないものには間違いはありませんが、長足寶小様は探す気があれば入手可能な天保銭だと思います。でも高いですね。

 
【特別展示品 その17 : 刻印銭】

信州諏訪大社上棟刻印銭4種 と 日荷堂渡銀銭
上棟刻印銭の有名品です。高価なものではありませんが4種を全て揃えるのには少し苦労します。一般に諏訪大社は一つの建物のように思われていますが4つの社殿がかなり離れた地区に分散していて4社殿をあわて諏訪大社を名乗っています。すなわち諏訪大社には上社と下社があり、上社には本宮と前宮(茅野市)が下社には春宮、秋宮があってそれぞれがあたかも独立した神社のような形態で存在します。

春宮刻印は文政年間(1820年代)に下社春宮宮殿改築のときのもの、また、秋宮刻印は天保7年(1836年)の下社秋宮神楽殿改築のときのものだと言われます。

上鳥居は明治25年、上社本宮一(および二)の銅鳥居上棟のときのものと推定されています。制作したのは鳥居寄進者の鮎沢弥三郎、河西友右衛門、河西徳三などの方々だろうと推定されています。
同様に上石鳥居は明治32年上社本宮の三の石製の鳥居完成時の上棟銭ではないかと推定されています。これにも鮎沢弥三郎がかかわったと思われます。

日本貨幣カタログに掲載されている諏訪大社上棟銭の図の1枚(上石鳥居刻印)には春宮華表という名称がつけられています。華表とは鳥居を意味するようですので、春宮華表は下社春宮の鳥居上棟銭になります。ところが諏訪コインクラブの方々の現地調査の結果、下社に該当する鳥居がなく上社本宮にだけそれらしき鳥居があるそうで、どこかで伝承に事実混同があるようです。(日本貨幣カタログの名称が間違っていると思われます。)
なお、諏訪大社上棟銭については昭和銭譜に記載された今井麻須美氏(下社の神官)の報告が唯一の拠り所で、諏訪コインクラブの検証もこれを基にしています。

※刻印の位置や形状に色々タイプがあるようです。
 
 【評価 5】
方泉處1993年4号の掲載原品
※解説の文章は諏訪コインクラブ様から頂戴した資料をもとに
起筆したものです。
【評価 3】
2008年11月にヤフーオークションに雑銭に混じってひょっこり現れ、ほぼ無競争で入手できたもの。
彰義隊の戦いによって焼失し、仮堂となっていた上野延寿寺の日荷堂を再建する途上の明治43年10月10日の上棟式のときに関係者に配られた記念銭です。
こちらは来賓にのみ配られた特別な四文銭。撒銭は一文銭で。1000枚以上つくられたそうでしたが、こちらは50枚限定だったそうです。探しても見つかりませんよ。由来がはっきりしている上棟銭の中ではもっとも珍品の部類かしら。お金を出しても手に入らない品です。
 

 
【特別展示品 その18 : 濶縁縮字】

岡山銭 婉文濶縁 と 井之宮銭 縮寛濶縁 と 坂本高頭通大濶縁   
  【評価 5】  
鋳写しが当たり前だった古寛永では、濶縁縮字になるものがたくさんありますが、その中でもとても目立つ2枚を掲示してみました。婉文濶縁の外径は24.4㎜です。これが25㎜あれば婉文覆輪という名称になって評価も10倍ぐらい上がります。
それでもこのくらい輪が太くて文字が小さくなったものはなかなかありません。元の書体がわからないほど崩れていますし、古銭を勉強する良い素材として価値があると思います。
雑銭の中の高級品・・・と、いった位置づけでしょうか?なお、これより若干輪幅の狭いものは比較的良く見かけます。わずかな差が評価差を生む好例です。

井之宮縮寛類は銭譜によっては岡山銭としているものがあります。これは鋳銭場の発掘調査によるものですが、太細の類が旧竹田銭の銭籍移転によって名称剥奪の憂き目に会っているのに対して、俯永類を代表する称:岡山銭類はなおもその籍に居座り続けています。
縮寛濶縁は井之宮銭を代表する書体ですし、その濶縁ぶりもなかなかのものです。けっして存在は多いほうではないのですが、市場で時折見かけるため評価は抑え目にしました。掲示品ぐらいしっかりした濶縁縮字銭はなかなかないと思いますよ。

追加掲示したのは坂本高頭通大濶縁です。大濶縁なのに上掲の縮寛濶縁より輪幅がないのはご愛嬌。まぁ、上の品が立派なんですね。これでもなかなか少ないのですよ。それにこれは由緒正しい品で、有名古銭家の三上花林塔氏の所有品だったのだそうです。だからどうしたといわれればそれまでなのですが・・・。
 花林塔手製のタトウだそうです。
  【評価 3】
  【評価 2】
 

 
特別展示品 その19 : ルーツを探る】

岡山銭 抬頭永 と 濶縁小字 と 長嘯子肥字進点寛    
【評価 3】 【評価 4】 【評価 3】
この3種は同じ岡山銭とされていて、制作や銅質も良く似ています。
抬頭永は昔からの有名銭で、俯永の類とされていますがこうして並べてみるとむしろ長嘯子類(あるいは岡山長尾永類)に書体が近似しています。寛目が狭く、通字が縦長ですっきりします。また、刔輪によるものなのか文字が隔輪気味であるのも分かります。抬頭永の名称の通り、蛇がかま首を持ち上げるように永頭が長く、フ画から離れてあります。良く見ると一般の俯永類より内径も文字も大きいのです。
細縁大字と言って良い存在です。
(外径24.1㎜ 内径20.3㎜。)

長嘯子肥字進点寛は長嘯子類の中でこの2種に最も書体が似通っています。文字通り寛点が進みますが、その他にも永尾が曳き尾気味、跳ね気味になる特徴があります。ただし、寶貝の幅が広いのが抬頭永とは異なります。外径は小さいのですが内径は濶縁小字とほぼ同じです。
(外径24.1 内径19.5㎜)

濶縁小字は希少銭種でありながら銭名がなかなか落ち着かず、隠れた珍品のひとつになっています。俯永の類とされるのですが、永字の書風は異なり、文字にも太細があります。かつては抬頭永濶縁ともされていたようで、なるほど・・・と思う一方で、なにか違うな・・・とも考えさせられます。文字が小さく見えるため見落としがちなのですが古寛永にしては大ぶりのものばかりです。掲示品はそのなかでもとくに大ぶりのもので、内径、外径ともに特別に大きい逸品です。
(外径25.0㎜ 内径19.5㎜  貨幣第278号昭和17年5月 尚泉堂嶋田氏出品の原品)

こうして並べると3枚が同じ筆法であることがよく分かります。また、背が長広郭なのも同じ癖です。
 

 
【特別展示品 その20 : 初期不知銭

志津麿大字(本体と平永) と 狭穿 と 寶連輪
【評価 稀】
ここにある4品は古寛永の中でも初期不知銭と呼ばれるもので、非常に個性豊かなものばかりです。

志津麿大字は古寛永というより、全寛永銭の中でもとりわけ文字が大きく、巨字と表現しても差し支えないような容貌です。御蔵銭に似た雰囲気もあるのですが、良く見ると書風が異なります。永字の形状は後の芝銭などの書体に通じるものがあります。

なお、志津麿大字には平永になるものと、永尾が波行する本体とがあり、本体の方が希少です。

本体は平成25年のネットオークションで入手。
平永は入札誌銀座で入手したもの。
いずれも冷やかしだったのですが落札してしまいびっくりしてしまいました。(画像の平永はお嫁入りさせましたが大きくて立派でしたね。)

狭穿は別名に浅草狭穿というものがあり、やはり御蔵銭に近いものという考えがあります。たしかに文字の太細や素朴な雰囲気など似通ったものもありますが、背郭の形状などが全く異なります。書体は大きな変化がありませんが、狭穿大字という絶対的な珍品(別種)が存在します。
掲示品は大和文庫【駿河】入札で入手した伝世の極美品です。

寶連輪の書風はどことなく狭穿に似ています。とくに通字についてはほぼ同じといっても良いくらい似ています。ただ、文字の太細が少なく、やや直線的な印象を受けます。
寶の貝爪が輪に接する特徴をもってこの名前が名づけられています。これにもやはり寶連輪大字という絶対的な珍品が存在します。掲示品は入札誌【鈴鹿】で手に入れたものです。

これらの品々は私にとってもあこがれの品で、入札などで少しずつ手に入れたものです。結構お金はかかっていますね。
【評価 少】
【評価 2】
【評価 稀】
 

 
【特別展示品 その21 : 背盛母銭】

背盛三種 江刺様 と 踏潰様 と 異足寶  
【評価 少】 【評価 少】 【評価 1】
平成16年の江戸コインオークションのときに背盛の母銭が大量出品されて私達の目を楽しませてくれました。母銭に興味をあまり持っていなかった私ですが、密鋳銭の分類を知る上でどうしても欲しくなり、オークションに参加して入手を果たしました。

江刺様としたものは銅質、鋳肌とも江刺風なのですが輪側面のやすり目が粗い斜めやすりです。このやすり目は非常に珍しいものらしいのですが、そのためこの銭籍を江刺・・・に確定することができません。でも、個人的には江刺でも良いかな・・・と思っています。

踏潰様としたのはこの母銭の覆輪技法による風貌が踏潰銭に良く似ているからで、だからといってこれが踏潰銭であるという証拠はありません。でもこれだけ大きくて濶縁縮字なのは面白いと思いませんか?輪側面は砥石で滑らかに磨かれています。

異足寶は入札誌からの入手ですが、案外少ない存在らしい・・・。輪は縦やすりです。

密鋳銭については意地になって収集していましたのでかなりのタイプのものが手元にあるのですが、未だに良く分かりません。江刺銭についてはかなり理解できているつもりなのですが、浄法寺と加護山の区分が今ひとつです。浄法寺特有の金質と輪側面の仕上げがあるものについては判るのですが、銅質の赤黒いものの判断が分かりません。お恥ずかしい限りです。
 

 
【特別展示品 その22 : 不知天保銭】

不知銭 俯頭通 と 張点保 と 長反足寶
【評価 大珍】

天保銭の不知銭は希少品がたくさんあるのですが、中でもオリジナル書体のものはとくに人気があります。さらにここに掲示してある品は銭の形状にもオリジナル性があります。通常の天保銭より上下のカーブが緩やかなのです。

俯頭通はとにかく文字雄大です。書体は完全なオリジナル。本座銭とは全く異なります。背の花押も独特の形状でここまで自己主張されると気持ちが良いくらいの天保銭です。制作も非常に良く、掲示の品は写真で見る以上に現物はきれいでしっかりしたつくりです。
この天保銭を偶然に入手してから、私の古銭収集に対する熱が一気に高まったのは言うまでもありません。

張点保は奇天類に属する珍品で、やはり文字は巨大でオリジナル性豊かなのですがなぜか改造削字の要素も持っている不思議な天保銭です。ここまでオリジナルな書体なのになぜ刔輪による寶足の変形があるのか?・・・ちょっと不思議な気がします。
見つけたのは都内にある某デパートの古銭売り場で、店主は水戸大字の汚いもの・・・だと思っていたらしいのです。当時は全体が漆喰でびっしり覆われていましたが、漆喰を落として現れたこの書体がこんなにも有名な品物だとは夢にも思いませんでした。
おそらく売り渡した方も思いもよらなかったと思います。購入価格は・・・たしか1500円くらいだったと思います。奇天類の癖で天字が少し仰いで前足が伸びかかっています。別名、異足寶平頭通の通り寶足が刔輪によって不自然に湾曲します。

※これらの品物の入手については 【掘出物の思い出】 に掲載しています。ご覧下さい。
なお、寶足の変化は意図的なものではなく、刔輪されてつくられた原母銭から母銭をつくるときに鋳走りが生じたものを成形したものらしいとのこと。この点は瓜生氏編の不知天保銭分類譜下巻に詳しく載っています。

  【評価 大珍】
  【評価 大珍】 追加の1枚。
この品物を名品と言わずしてなんとしましょう。書体変化においては奇天とならぶ天保銭中の超有名品。市場にはまずでてこない絶対的な名品にして不知天保銭分類譜の原品。さらに銭径ももっとも大きなものです。
平成21年のオークションネットⅩⅢの中の目玉商品で、平成19年12月にも一度市場に出ています。
 

 
特別展示品 その23 : 変化球】

寛保期佐渡銭鉄銭座銅銭 の 背広郭 と 面背逆製  
【評価 少】
私のイメージでは寛保期佐渡銭・・・なのですが、銭譜によっては元文期の冠がついているかもしれません。元文末期から寛保初期にごく少量生産されたらしいもので、鉄銭座(あるいは鉄銭手)銅銭と一般には呼ばれています。通常品でさえなかなかない品なのですが、背郭が掲示品のようにずれて大きく変化したものがたまに見つかります。錯笵の一種ですからそんなに目くじらを立てる必要はないと思います。でも評価されているのなら拾った方がお得ですよね。
なお、この品物は平成16年9月に18000円で購入したもの。超お買い得品でした。大様で立派です。
【評価 少】
末鋳小様のとてもみすぼらしい姿、ただでさえ見栄えのしない古銭がこんな状態では誰も見向きしないと思います。これが鉄銭座銅銭でなければ・・・ね。しかもこれは面背逆製という製造時エラーです。おそらくその存在数といったら大珍クラスのものだと思います。エラー銭なので顔が悪いのは仕方のないところなのですが、評価してくれる方は皆無でしょう。普通品の評価が【少】で存在数は大珍・・・でもって見てくれは最悪でやはり評価は【少】でしょうか?それ以下?

→ 面背逆製の寛永通寶
 

 
【特別展示品 その24 : 地味なる母たち】

元文期小梅手俯永母銭 と  元文期平野新田銭(白目)中字母銭 と 細郭手容弱通用母
【評価 稀】
母銭は収集の対象外だったのですが、小梅手俯永は冷やかし入札で落札してしまったもの。価格はそれなりですが、一応お買い得品です。非常に薄肉で使い込んだ感のある母銭ですが、まず鋳肌の緻密さが通用銭とは全然異なります。
漆塗りのお盆のようなぬめっとした光沢が地の部分に残っていて、その異質な感じが脳裏に焼きついてしまったくらい強烈な個性があります。
俯永といえば超有名銭には違いありませんが、実際にはとても地味な古銭です。

白目中字母銭は平成18年6月にインターネット上に《白くない白目銭》として出品されたもの。おおぶりで磁性もないということで出品者も母銭ではないか・・・と記述していました。当然のことながら目利きの方が応札していて激しい争いが予測されたのですが、幸運にも39000円で落札。原品が届くまでどきどきものでしたが、届いたものは紛れも無い母銭でした。それまでの失敗、浪費を解消する掘り出し物なのですが、お金を使ってしまったことには変わりはありませんね。でも、これはかなりの珍品です。
【評価 稀】
【評価 大珍】
追加で掲載したものは、天保仙人から絶賛された容弱の通用母銭です。銭文径は若干大きいようですが、銭径は目だって大きなものではありません。
輪刻印も小さく打たれているので母銭ではない・・・と思っていましたが、密鋳系の母銭は発覚したときの言い逃れのため、あらかじめ刻印を打刻しておくことがあったようです。
全体にぬめっとした滑らか肌で文字は細く抜けの良い品です。
仙人が確認した2枚目の存在だそうですが、言われればそうなのかなあ・・・と思う程度でした。
 

 
【特別展示品 その25 : 勢ぞろい異書白銅銭

享保期仙台石ノ巻銭白銅銭 
異書短通斜寶 異書短通進冠寛 異書長通 異書長通低寛 異書大字
異書短通斜寶白銅銭 異書短進冠寛寶白銅銭
 【評価 1】  【評価 1】  
銅替わり白銅銭のなかの有名銭です。
石ノ巻銭は鋳造期間が長かったせいか、大型の黄銅質銭、末鋳小様銭まで同じ書体ながら様々な変化が見られます。その中でもこの白銅銭はとても目立つ存在で、もちろん中間的な白銅質・・・というものも存在するのですが、ごくごく稀に完全に白く抜けているものも見つかります。原因はおそらく鉄分の含有量が関係するのでしょうが、銭径もしっかりしたものがあり、見た目もきれいでなかなか楽しい一群です。
長通系の3種を白銅銭でそろえるのも大変なのですが、短通系にもごく稀ながら存在すると聞き、探し回っていたところようやく入手に成功!
多少の焼け磨きはあるようですが、予想以上の純白銭でした。




← 短通系は磁性がありません。銭径も大きい。

↓ 長通系はいずれも磁性があります。
【評価 3】 【評価 3】 【評価 3】
異書長通白銅銭 異書長通低冠白銅銭 異書大字白銅銭
 

 

【特別展示品 その26 : 浄法寺天保銭

密鋳 浄法寺銭 南部大字鋳浚改造母銭 と 小字写 と 本座写3種      

【評価 少】
【評価 少】
【評価 1】
【評価 2】
【評価 2】
浄法寺天保は一時期暴落気味の相場でした。見た目が悪いというのがコレクターには受けなかったようで、おかげで私のようなついでに天保銭を集めているようなコレクターでも数枚入手を果たしています。ところがここにある浄法寺銭については最近まで存在を知らなかったものばかりです。

南部大字鋳浚改造母銭は浄法寺の鋳造技術のサンプルとして購入。南部藩小字写入手の経緯はやや訳ありでして、出品者が品物名を間違えていたもの。銅山手という名称でした。
本座写しは浄法寺天保としてはちょっと珍しい存在のようです。金質は赤味を帯びながらもやや白っぽい浄法寺特有のもの。少し軽く、硬さを感じます。

なお、近年の研究では浄法寺銭は明治期につくられ、参道で売られていた絵銭の類ではないかとの噂があります。
 

 
【特別展示品 その27 : ネットオークションの申し子達

琉球小字長足寶桐刻印 と 水戸藩銭遒勁刔輪  と 曳尾大字 と 盛岡小字 
【評価 少】 【評価 珍】
【評価 少】 【評価 稀】
ネットを徘徊しているとときどきとんでもないものに遭遇することがあります。
上段左の琉球小字は2009年の末に出会ったもの。開始価格は1000円でしたが、刻印がどう見ても普通ではない。肌もきれいで特別な香りがぷんぷんします。強気の応札をしていましたが競争になり51000円で落札。
結果は大正解で琉球通寶小字長足寶の桐刻印の極美品でした。

上段右の品は10枚5000円で売られていた天保銭の中の1枚。最初は画像が小さくて確証が持てなかったのですが、拡大画像が掲載されて大フィーバーになってしまいました。言わずと知れた遒勁ですが、通常のものとは少し異なり小足寶になっています。遒勁は贋作銭が非常に多くネットでの応札は無謀かとも考えましたが、ここで退いたら絶対後悔すると思い、不退転の覚悟で臨みました。結果は190000円まで行ってしまい別の意味の後悔はありますが、品物は間違いない美銭でした。現物を手にすることで拓本では分からないいくつかのポイントを確認することができました。

下段左は四国の某大家からの購入品。文字が大きくて気持ちの良い品です。これあたりはなかなか手に入らない品になりました。

下段右の品はあこがれていた盛岡小字・・・10万円で出ていて、そのまま買えればいいな・・・思いつつ、落ちたらどうしようと・・・と。このあたりが私が買える高級品の限界ですね。
 

 
【特別展示品 その28 : 正統派との出会い】

寛保期高津銭小字降寶最大様母銭 と 元文期一ノ瀬銭高寛背一
【評価 珍】
小字降寶母銭は平成17年の銀座コインオークションに出品されたものです。出所はおそらく方泉處じゃないかと勝手に思っています。
外径23.4㎜。穴銭入門で言う特別に大きな母銭に該当します。
このあたりの価値が分かるとはすごいね・・・という担当石川氏のお褒めの言葉を頂戴し、決死の覚悟で落札してしまいました。
この降寶は通用銭で23㎜を超えるものですら幻の存在です。しかも原品は母銭としても完璧な品物。これを名品と言わずなんとしましょうか?
でも地味な存在であるのは間違いないところ・・・。所詮、マニアにだけ輝きを見せる宝石の原石なのでしょうか?

高寛背一は平成14年の銀座コインオークションに出品されて競り負けて(185000円)以来なかなか良いものに巡り合えず、半分あきらめていました。それから10年後、同じ銀座コインオークションに素晴らしい状態の品が出現しました。
これはなんとしても逃してはいけないと思いながらも、財布の中から悲鳴が聞こえそうな・・・。ところがいざふたを開けてみるとだれも競らない・・・気が付いたら私の手元にこいつがいました。
翌年の年賀状を高寛背一が飾ったのは言うまでもありません。
【評価 珍】
 

 
 
【特別展示品 その29 : 出来の悪い子ほど可愛い!】

不知長郭手3種 細郭手1種
長郭手 異貝寶異當百(覆輪延尾通) 
長径48.9㎜ 短径32.45㎜ 銭文径41.3㎜ 
重量22.3g
長郭手 覆輪面存痕異書(撫角銭)
長径48.6㎜ 短径32.3㎜ 銭文径40.45㎜ 
重量22.9g
【評価 大珍】  【評価 稀】
長郭手 覆輪狭玉肥足寶
長径48.9㎜ 短径32.9㎜ 銭文径40.75㎜ 
重量19.9g
 
細郭手 草点保           
長径48.95㎜ 短径32.8㎜ 銭文径40.6㎜ 
重量21.4g
【評価 少】 【評価 大珍】
日本人は西洋人と違って「詫び寂び」を美しいと感じる豊かな感性があります。シンメトリックに整然と並んだものだけでなく、ときにいびつで稚拙なものを雅味があるとも評します。ここにある天保銭はすべてが変なものばかりかもしれません。
長郭手異貝寶異當百はいまだに確定した名前がないというか、私自身が納得した名称になっていません。覆輪延尾通という副名称を付けましたが、保字の点が張点保状になっている特徴もあります。月刊天保銭21号(長郭手母銭様)、天保銭の鑑定の分類87P(異當百)、天保通寶母銭図録126P(異書、天保銭事典366P(奇書)、当百銭カタログ110P(異書体)、英泉還暦記念泉譜(異當百異貝寶)、村上英太郎天保通寶研究分類譜第4巻66P(異貝寶)などとまあ見事に名前が異なります。これらはすべて同一品で現在は秋田のM氏の所有だと思われます。母銭だとされていますがサイズから推定するとあくまでも母銭様のようで、上掲の品は当初は現存一品の通用銭ではないかとのことでしたが、2品目の出現と言うことで落ち着きそうです。
覆輪面存痕異書は撫角銭といった方が通りがよさそうで、こちらは名称が動きません。夜店に並ぶ贋作天保のような風貌ですが立派な?古鋳品で通用を狙ったものでしょう。異製作の品の代表格だと思います。
覆輪狭玉肥足寶は不知天保通寶分類譜の原品であり、これもM氏の放出品でしょう。横太りの独特の銭形と覆輪が不恰好で可愛い品です。
草点保は東北のSさんからお譲り頂いた名品です。私の不知天保銭コレクションの中でも光り輝く有名品。スキャナーの性能が悪くて煤呆けた表情を見せていますが、この手の品としては超々美人顔です。
 

 
【特別展示品 その30 : 紅白おめでたい!】

中郭手覆輪赤銅銭 と 長郭手宏足寶白銅銭 と 絵銭天保戎寶
【評価 稀】 【評価 珍】 【評価 2】 こいつらもお気に入りの天保銭です。
中郭手覆輪赤銅無極印は真っ赤な銅質と堂々とした重さ、大きさといい、できすぎの不知銭です。一見、水戸接郭に見えてしまいますが全くの別物で、穿内は鋳放し状です。
長径49.75㎜ 短径33.25㎜ 銭文径40.4㎜ 重量25.9g

長郭手宏足寶白銅質は一時期手放すか迷っていました。結局、類品を仙人にお譲りさせて頂きましたが、こちらを手放さなくてよかったと思います。その頃は天保銭コレクションを整理しようかと考えていた頃。暴々鶏氏が手放すのはもったいないと耳に入れて下さいました。以来、私は天保銭に狂いまして今日に至っており、これはそのシンボル的な存在でたびたびHPをにぎわせております。

天保戎寶は今宮神社の絵銭と言われております。肉厚の純銅絵銭でして、彫は浅くけっして上作とは言えないものの妙な魅力があります。インターネットオークションで手に入れましたが、ほぼ無競争でした。

中郭手 覆輪赤銅無極印 長郭手 宏足寶(白銅銭) 絵銭 天保戎寶
 
 
 
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