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不知天保銭の見分け方

天保通寶の密鋳は、天下の大罪ですので見つかったら厳罰は免れません。一方で一文銭数枚のコストで鋳造できる天保銭は財政逼迫にあえぐ諸藩にとって魅力的な存在でした。そこで諸藩は幕府に隠れながらもその鋳造技術を尽くして天保銭の密鋳に励んだと思われます。密鋳ですから文献などの証拠は極力残していません。密鋳は民間でも行われたようで、実に様々なタイプの密鋳銭が存在しています。
銭譜では本座分類にならって 
長郭手 細郭手 中郭手 広郭手 に分類することが多いのですが、モデルが確定できないものもあります。また、前記分類に加えて 

① 新規母銭から製造されたタイプ → 本座銭を無視したオリジナルで個性溢れる書体
② 摸鋳母銭から製造されたタイプ 
→ 本座銭に似せているがどこかが違う書体
③ 本座銭を母銭として、そのまま鋳写しを行ったタイプ
 ③-1 上記を鋳写したもの
④ 本座銭の覆輪加工をして母銭にしたタイプ

 
④-1 上記を鋳写したもの
⑤ 覆輪、刔輪またははっきりした文字変化がある改造銭タイプ
 ⑤-1 上記を鋳写したもの
⑥ 直接鋳型に文字を書いて鋳造したタイプ

などの考察分類も可能ですが、これにも中間的なものがありますので種類は無限大といっても良いかもしれません。
不知銭には比較的分かりやすいものから、専門家でも判別困難なものがあります。
そこで微細な変化、違いを発見する必要があります。ポイントは・・・

(A)銅質や制作の違いを感じとる。・・・ただし、これは保存状態でかなり変化します。
(B)大きさ(長径)を比較する。本座の標準サイズは49.2㎜前後です。
(C)側面極印を見る。無極印であったり、異極印は本座以外が多い。
(D)側面のやすり目を観察。本座のやすり目と違うかどうか見る。
(E)銭文径を測る。ノギスで計測します。

寛永銭で有効だった内径計測は覆輪、刔輪という技法があるため天保銭の場合はあまり有効ではありません。

参考値(本座銭標準値)
本座長郭:
長径49.1~3㎜ 短径32.4~5㎜ 銭文径41.5~8㎜
長郭以外:
長径49.1~3㎜ 短径32.4~5㎜ 銭文径41.2~4㎜ 
(サイズはあくまでも目安で、かなりばらつきがあります。)
なお、本座銭には絶対的な規定重量があり、
最大重量21.75g、最軽量19.5gの範囲に収まるように鋳造され、規定外は溶解処分になったようです。したがってこの重量範囲外のものはかなりの確率で不知銭があるといってよいと思います。(ただし、軽量の場合は盗銅や焼けによる目減りに注意して下さい。)
※実際には当時の計量は精密ではなく、長郭では22.2~19.2g、長郭以外は24.2g~18.9gまでのばらつきが観測されるようです。

平成20年5月春の古銭会において天保銭人から教えて頂いたこと。
1.本座の天保に覆輪、刔輪はない。反郭、含円郭も本座ではありえない。(紀州という噂が・・・)
2.本座の天保の郭内の仕上げは背から面にかけて平やすりが入るが、郭内全体にきっちりやすりがかかることはない。
3.本座は郭内がでこぼこするような品は廃棄対象である。→そのようなものは本座外。
4.本座は極印はきっちり、丁寧に打たれる。(上下逆はある。)ないのは不知品。
5.本座は文字の立ち上がりは台形状。文字が細く先の尖った山にはならない。
6.不知品のほとんどは藩鋳銭である。したがって銭体が縮小しない精巧なものがあるのは当然である。
7.本座は輪側面のヤスリ目は始点と終点が細く、中ふくらみの形。これはやすりの形状からこうなる。
8.製造手順は厳格だが本座の通用銭の仕上げは雑なものも多い。
※鋳写し系の品はデータの異常値を赤文字にしてあります。


私が不知銭と認定する条件
①鋳写は広郭手・細郭手で銭文径が40.8㎜、長郭手で41.3㎜を以下であること。
②明らかな覆輪・刔輪・製作の異常が認められること。
※もちろんこれとて例外もあります。
【不知銭:長郭手類】
俯頭通                【評価 大珍】
長径49.0㎜ 短径32.25㎜ 
銭文径41.2㎜ 重量24.1g
長郭手あるいは細郭手ともされますが、いずれとも書風は異なります。オリジナル書体を主張する個性派有名不知銭。小判の形ながら、本座銭より上下のカーブが緩やかでコインホルダーからはみ出します。気持ち良いほど伸びやかで大振りな文字。背の花押も独特です。掲示品は制作も極上で特別な銭・・・といった感じです。俯頭通という名前ですが、巨頭通としたほうが良いかもしれません。郭幅や文字に若干の変化があるようです。私自慢の逸品でありかなりの珍銭です。
→ 掘り出し物の記憶
長郭手 広穿大字       【評価 大珍】
巨字・・・といっても良いほど面背とも文字が大きく、かつ広穿になっています。銭径も上下のカーブが緩い大型銭です。非常に魅力溢れる不知銭ですね。私あこがれの逸品です。

(平成16年オークションネットⅣカタログより)
長郭手 張点保        【評価 大珍】
長径49.75㎜ 短径33.35㎜ 
銭文径41.6㎜ 
重量22.1g
銭径雄大、書体はオリジナルですが、モデルは間違いなく長郭です。異足寶平頭通の名前もありますが、源氏名の方が知られています。天保の文字が大きく、保字の点が長く、天の二引きはとても力強く直線的です。通頭は直線的に加刀され、寶の足も長く反り返ります。実はこの天保銭は有名な奇天の仲間で、天字の前足が長く伸びようとする癖が残っていますので奇天手張点保としても良いと思います。これも俯頭通に優るとも劣らない大珍銭です。
※天保仙人様によると張点保は7~8枚しか確認されていないそうです。→ 掘り出し物の記憶
長郭手 奇天            【評価 大珍】
天の前足が気持ちよく伸びる不知天保銭の天下の珍品です。書体、背の花押の形状から張点保と同類であることが判ります。郭の幅がわずかに広くなることも特徴の一つ。オークションでの落札価格は660万円。手数料を含めると700万円以上の価格がつきました。

※民間にある奇天はこれ1枚?(
平成17年銀座コインコインオークションカタログより)
長郭手 奇天手        【評価 大珍】
あと一歩で奇天になりそこねています。郭も細く良く見ると天字の前足の周りをはじめあちこちが削られています。かなり作意の感じられる加工なのですが、果たして制作者は何を意図してこの作業を行ったのでしょうか?
これも奇天ほどではないにしろかなりの貴重品です。
(平成17年銀座コインコインオークションカタログより)


→ 秘宝館
長郭手 奇天手        【評価 大珍】
長径49.3㎜ 短径33.0㎜ 
銭文径41.3㎜ 重量24.5g

平成27年のCCF郵便入札で、表敬応札をしていたら落ちてしまった逸品。なんと天保通寶と類似貨幣カタログの原品というから、青森の板井哲也氏の旧蔵品なのかもしれません。大型の銭容ながらかなりの細縁です。文字の輪郭を整えようと、文字周囲を加刀しているうちに、天の前足の周囲が彫られ伸びてゆくように見えるようになったというのが真実ですね。張天保に比べ文字も輪も細いので、その加刀によって生まれたのかもしれません。仙人も絶賛の銘品です。
長郭手 刔輪長天(奇天様)   【評価 少】
長径48.5㎜ 短径32.0ミリ 
銭文径40.8㎜
 重量22.0g
ちょっと不思議な天保銭。刔輪銭で天の前足と保の人偏の周辺の地が加刀されていて長く見える。一瞬、奇天手のように見えますが、背の刔輪が全くなく、銭形も小さい。
長足寶であり狭玉寶。不知天保通寶分類譜にある仰二長天と同系統かもしれません。
長郭手 尨字異頭通      【評価 大珍】
尨(ぼう)の文字は【むくいぬ】とも読みます。むく犬のように素朴でころころしている・・・というのでしょうか?私は容弱と同じような意味として受け取っていました。尨字類とされていますが、私個人としては奇天類になんとなく似ていると感じています。文字は縮小していますが、保点や寶足の長さ、背の花押の形状をよく見比べてみて下さい。(秋田藩銭にも似ていますね・・・)
(平成17年銀座コインコインオークションカタログより)
長郭手 尨字塞頭通        【評価 大珍】
文字は独特で、銭形も胴部のふくらみの強いオリジナル銭です。通頭が完全に塞がり、寶尓の点が肥大しています。これも尨字の類になります。
(平成16年オークションネットⅣカタログより)
 
※尨字の意味はむくいぬの乱れた毛を意味するようで、雑然として色々な書体に見えることから・・・という意味らしいです。
長郭手 尨字塞頭通        【評価 大珍】
長径49.1㎜ 短径32.3㎜ 
銭文径40.9㎜ 重量20.6g
2016年の収集7月号の落札品。私はこの書体を見ているとなぜか秋田銭を思い出してしまうのは、おそらく尓の独特の形からかもしれません。書体が違うので偶然だろうと思いますが、異貝寶異當百と銅質や肌の雰囲気がそっくりに感じます。今でも高評価ですけど、その昔は奇天手クラスの高評価だった大珍品です。

長郭手 覆輪刔輪大点尓寶(大様)【評価 少】
長径49.2㎜ 短径33.1㎜ 
銭文径41.3㎜ 重量20.9g

別名、短尾通。制作から見てかなり実力のある銭座だと思います。覆輪の結果、銭の形状が非常に特徴的で、側面のカーブが大きく頭がすぼまるきれいな卵型で、短径の大きさが目立ちます。文字は縮小接郭、短尾通で肥長足寶の特徴もあります。

長郭手 覆輪刔輪大点尓寶(小様)【評価 少】
長径48.3㎜ 短径32.1㎜ 
銭文径40.3㎜
 重量20.5g
覆輪刔輪大点尓寶は當百銭カタログの名称で別名の短尾通の方が判りやすいかもしれません。穿内はべったり全面的にやすりがけがされていて、それが過度なため背郭も極端に細くなっています。また、極印は極小の桐極印が深く打たれています。
すべてにおいて上掲品よりサイズダウンしており、母子のような差があります。小様と言うより次鋳と言った方が正しいのかもしれません。
不知天保通寶分類譜の下巻P129の10
英泉天保通寶研究分類譜1119
長郭手 鋳写背肥郭(刔輪残痕)【評価 4】
長径49.2㎜ 短径32.45㎜ 
銭文径41.5㎜ 重量20.8g
制作はやや粗いもののほとんど本座と遜色ありません。輪の右側に点々とタガネの痕跡が残ることと、郭内の仕上げが雑なこと、桐極印が小さいことなどから本座外らしいことが分かります。なお面右下の輪の歪みは湯道の痕跡で、仕上げの雑なところでもあります。この手の本座とほとんど差のない不知品はときおり存在すると思われます。
※穿が縦に拡大していると思われます。
長郭手 面背逆仕上げ(細縁) 【評価 4】
長径48.9㎜ 短径32.4㎜ 
銭文径41.5㎜ 
重量22.8g
重量以外はほぼ本座の規格。あるいは本座かもしれない。
面の外径より背の外径が小さく、テーパー角度が逆になっています。仕上げの異常であり重量も規格外なのでこの位置に納めました。
肉厚で重量オーバーを修正しているうちにこうなってしまったとも考えられます。
長郭手 鋳写長広穿(細縁)  【評価 5】
長径48.2㎜ 短径32.1㎜ 
銭文径41.4㎜ 重量20.3g
銅色淡褐色、制作極めて良く、地肌が滑らか。通常の本座長郭の標準銭文径が41.8㎜ですから、直接1回の鋳写しといったところか。広穿にも見えますが、穿内の仕上げもきれいにしていてかなり良心的なつくりです。(加熱されて伸びた?)拡大して観察してみると天前足、保人偏、輪の立ち上がり部分に加刀痕が残っているように見えます。

※あるいは改造銭か?
長郭手 鋳写(白銅質)    【評価 4】
長径49.25㎜ 短径32.45㎜ 
銭文径41.6㎜ 
重量18.6g
かなり白っぽい天保。錫分過多なのか銭径の縮みはわずかです。極印はあるものの小さく不鮮明で郭内の仕上げが雑というかほとんど手が加わっていません。重量は軽く本座の規定外です。
鋳写しとしては縮小率がほとんど見られませんが、制作的には違和感の多いものです。
長郭手 鋳写細字(郭仕上げ異)【評価 4】
長径48.55㎜ 短径32.15㎜ 
銭文径41.2㎜
 重量19.7g
わずかに面背とも細字ながら計測しなければ不知銭と確信が持てない品。ただし、この品は穿の仕上げが本座と異なり、面側方向からもやすりが十分に入れられています。これだけで一目で不知銭と見破れる方はかなりの達人でしょう。私・・・もちろん無理です。
長郭手 鋳写         【評価 4】
長径48.5㎜ 短径32.1㎜ 
銭文径41.0㎜
 重量22.0g
どこから見ても本座・・・ただ、銭文径が縮むので不知銭と言うのが分かるもの。単独で見たらもちろん、並べてみてもちょっと気づかない不知銭です。天上の輪にわずかに加刀痕跡が残ります。
長郭手 鋳写異極印(背ござ目)【評価 4】
長径48.3㎜ 短径31.6㎜
銭文径41.0㎜
 重量21.4g
黒ずんだ茶褐色の普通の鋳写し銭ながら、背のござ目が非常に特徴的な一枚です。桐極印は不鮮明ながら四葉のクローバー状の異極印が確認できます。
長郭手 鋳写厚肉楔形     【評価 少】
長径49.25㎜ 短径32.4㎜ 
銭文径41.0㎜ 重量26.1g

面左側が削られた変形線。実は有名な異製作銭で天側が3.6㎜、寶側が2.3㎜の肉厚で差が1㎜以上あります。鋳造時の型〆不良か、鋳砂の踏み固め不良が原因の可能性が高いと思われます。

不知天保通寶分類譜下巻原品P194の10
英泉天保通寶研究分類譜1032
長郭手 鋳写赤銅質肥郭(楔形)【評価 4】
長径49.1㎜ 短径32.2㎜ 
銭文径41.5㎜ 
重量22.8g
最厚部3.4㎜、最薄部1.9㎜の変形天保銭。銭文径は焼け伸びたのか本座と同じぐらいあるようです。
材質に鉛を多く含んでいるのか、重く感じ、銅質は赤黒い。郭内はやすり仕上げではなく、タガネで叩ききった痕跡が生々しく残り、切断面は赤い銅色が残されています。
長郭手 歪斜穿        【評価 3】
長径48.8㎜ 短径31.8㎜ 
銭文径41.2㎜
 重量17.9g
火事で焼け歪んでいるのではないそうです。サイズから見て完全な写し。鋳造中に鋳型を倒すなどの行為で衝撃を与えてしてしまったため溶銅の重みで銭型が歪んでしまったものだそうです。
本座の場合はこのような失敗作は溶解処分されますが、不知品の場合はそのまま世に出てしまう例があるそうです。ただ、極印がはっきりしないのであるいは後作かもしれません。
長郭手 鋳写白銅質異極印   【評価 3】
長径48.8㎜ 短径32.00㎜ 
銭文径41.25㎜ 重量23.2g

極印は桐の葉脈が半月状(UFO型)になっています。長径があまり縮んでいないのでスリムに見える銭形です。おそらく覆輪刔輪されていると思いますが、見た目以上に大きな銭文径です。

→ 天保銭極印図鑑

長郭手 鋳写(白銅質)    【評価 3】
長径48.7㎜ 短径31.65㎜ 
銭文径40.9㎜ 
重量22.0g 
全体に白っぽい銅質。全体にスリムな銭径で、上の銭形に近いのですが、極印は上のものとは違います。白銅質の不知銭は比較的散見されるのは、材料として鏡を再利用したからなのかもしれません。
長郭手 鋳写(白銅質:短俯頭辵)【評価 3】
長径48.65㎜ 短径31.8㎜ 
銭文径41.2㎜ 
重量22.2g
英泉 天保通寶研究分類譜1108番の原品で、短俯頭辵の呼称が付けられています。地肌のぶつぶつが特徴的。
 
長郭手 鋳写(極厚肉)    【評価 1】
長径48.65㎜ 短径32.25㎜ 
銭文径41.2㎜ 重量28.2g
製作・銅質ともに本座銭と全く遜色ありません。わずかに銭径が小さく鋳写しであることが分かります。
特異なのがその肉厚と重量。肉厚は3.2~3.3㎜と平均して分厚く、銭径が小さい割にずっしりとした重さを感じます。
重量28.2gは私の所有する全不知銭のなかでも断トツの重さです。
長郭手覆輪(背存痕)     【評価 2】     長径49.4㎜ 短径32.6㎜ 
銭文径41.3㎜ 重量19.1g
製作など、ほとんど違和感がありません。わずかに輪幅が広く背には覆輪痕跡が左右に残ります。また、寶下が刔輪されて寶足が少しだけ長いもの。
長郭手覆輪(過重銭)     【評価 1】     長径49.1㎜ 短径33.1㎜ 
銭文径41.1㎜ 重量26.6g

白銅質の肉厚銭です。最大肉厚3.1㎜、薄いところでも2.7㎜あります。覆輪のたっぷりした銭径でもあります。
     
長郭手刔輪長足寶背深淵    【評価 1】
長径49.1㎜、短径32.4㎜、
銭文径41.3㎜、重量18.7g

一度写しの不知銭ながら、輪際を刔輪と言うよりもえぐられている加工がされています。とくに背の花押下側は小刀で完全に深彫りされています。
長郭手 白銅質(背嵌郭存痕?)【評価 3】
長径48.2㎜ 短径31.95㎜
銭文径40.9㎜ 重量16.8g

白銅質で横太り型の銭径・・・おそらく覆輪磨輪銭だと思われます。特筆すべきは背郭に残るかすかな筋目・・・ひょっとすると嵌郭の痕跡かもしれません。あるいは広がりすぎた郭に鏨を打とうとした傷跡か?非常に軽量なのも特筆すべき点です。
長郭手 肥郭異極印      【評価 1】
長径48.45㎜ 短径31.5㎜
銭文径41.2㎜ 重量18.2g

丸に小の字状の葉脈の大きな桐極印が打たれています。郭に圧力がかかったのかもしれませんが、面側も肥郭になっています。
長郭手 鋳写(尖足寶)    【評価 3】
長径48.4㎜ 短径31.45㎜ 
銭文径41.0㎜
 重量20.8g
やや白銅質気味で、上掲示品との関連性が疑われます。細身の銭形は覆輪などとは無縁の製造を物語っています。寶足の周りに加刀痕跡があり、とくに前足が細く尖っています。
極印は桐型で普通。
長郭手 覆輪異制背小郭    【評価 2】
長径48.5㎜ 短径32.2㎜ 
銭文径41.0㎜ 
重量20.4g
やや横太りで狭穿・・・それから判断すると、覆輪銭の風貌ですので覆輪の名を冠しましたが異論もあると思います。面背に不規則に縦やすりが走り、輪も同様です。あらあらしさから踏潰銭を連想してしまいます。背郭が妙に小さく感じます。覆輪変形の修正でおそらく郭周囲を鋳ざらっていると思います。
長郭手 覆輪白銅質異極印   【評価 2】
長径48.9㎜ 短径32.30㎜ 
銭文径41.00㎜ 
重量21.4g
輪幅がわずかに広く、覆輪だと思われます。なめらかで非常に美しい肌の白銅銭で文銭の白を思わせます。極印は葉っぱの部分が省略された十字型のものです。

→ 天保銭極印図鑑
長郭手 細輪(異極印)    【評価 2】
長径48.2㎜ 短径31.6㎜ 
銭文径41.0㎜ 
重量22.6g
やや銅質は赤みを帯びているものの、制作などは非常に良いもの。英泉天保通寶研究分類譜1139番(連玉寶)の原品です。

極印がかなり摩耗していますが、私がお花型と呼ぶものに似ています。
長郭手 鋳写魚子地肌(縮形) 【評価 2】 
長径48.55㎜ 短径32.0㎜ 
銭文径41.15㎜ 重量22.2g
魚子地(ななこじ)は一般には松葉でつついたような小さな穴がぶつぶつあいた鋳肌を言います。仙台銭のそれが有名ですが、観察するとぶつぶつ隆起が連鎖して小穴を形成しています。
※細郭手に同炉と推定されるものがあります。
長郭手 覆輪南部肌      【評価 1】
長径48.8㎜ 短径32.0㎜ 
銭文径41.0㎜
 重量21.8g
南部肌と名付けたのは天保通寶研究会のM氏らしく、拡大して観察すると確かに赤錆仕上げの南部鉄器の表面を見ているようでもあり、肉眼では判別はできないものの、拡大すると表面にごく小さな気泡がはじけたような穴が地だけでなく輪上までにも無数に観察できます。旧石ノ巻の室場天保を砥石と砂で磨き上げればこんな雰囲気になるかもしれないと思います。こじんまりとまとまった六角形の桐極印が左右とも逆打ちされています。
松崎氏 
長郭手 鋳写細縁赤銅捻形   【評価 少】
長径48.0㎜ 短径31.45㎜ 
銭文径41.15㎜
 重量20.1g
赤黒い長郭手。案外、この手の色は少ないと思います。銭笵がよじれるようにずれていることにより、面からみて左から上部にかけてが逆台形に、右から下が台形状に側面が傾斜しています。
「よじれ天保」と名付けて一人喜んでいます。
長郭手 覆輪刔輪純赤銅銭  【評価 稀】
長径48.9㎜ 短径32.4㎜ 
銭文径40.7㎜
 重量20.7g
見事な純赤銅銭。輪の際の筋彫りも深く、天上、當上の刔輪も激しい逸品です。極印は小さい桐。
赤みを帯びた不知銭はたくさん見てきましたが、ここまできれいな赤い色のものは初めて見ました。まるで秋田銭のようです。恐らく東北地方の産だと思います。
長郭手 鋳写細縁粗造異極印  【評価 3】
長径48.4㎜ 短径31.9㎜ 
銭文径41.3㎜
 重量21.5g
黒褐色の浅字銭。鋳肌も銅質も異質で穿内はべったりやすり。極印は鶴がバンザイをしたような形です。(左右とも同じ。)
長郭手 覆輪縮形楔形異極印   【評価 2】 
長径47.7㎜ 短径31.6㎜ 
銭文径40.55㎜ 重量21.1g
やや赤みを帯びた金質で、計測値で48㎜を切る再写し小様銭ながら実にしっかりとしたつくりです。極印は全体に形がはっきりしない凹み状。銅質、地肌、極印などから魚子地肌異極印としたものに非常に近い気がします。また、天側は2.25㎜の厚みですが、寶側は3㎜を超えています。
長郭手 縮形細縁       【評価 3】 
長径47.7㎜ 短径31.8㎜
銭文径41.0㎜(推定)
 重量21.3g
磨輪による縮形。この手の物は小さくても必ず重量は規定内あります。書体に大きな変化は見られませんが、若干刔輪がされており、寶足はやや長く感じます。ただし、鋳だまりのせいで銭文径がうまく測れませんでした。赤銅の捻形と比較してみても文字は縮小しているように感じます。
長郭手 縮形(磨輪)     【評価 2】
長径47.6㎜ 短径31.45㎜ 
銭文径40.9㎜ 重量18.4g

銅色赤味のある黄銅、製作は良好。銭形縮小の場合は通常は48㎜程度までで、48㎜未満は少ないものです。流通面を考えると極端に小さいものは、除外対象になるからでしょう。通常銭に比べて2㎜近く小さい姿は異様ですが、加刀変化がなく銭としてのバランスが良いため案外目立ちません。
長郭手 鋳写(縮形當細字)  【評価 3】
長径48.2㎜ 短径31.9㎜ 
銭文径41.0㎜ 重量19.3g

単品で見たら本座との区別はつかないと思いますし、本座に混じっても大きさを比べない限り見分けがつきません。覆輪も刔輪もほとんどなく、精巧に鋳写しており、銅色もまったく本座と変わりません。
なにより上掲のものより小さいということに驚きを覚えることかと思います。當や天の字に若干修正が見られますが、とにかく見事としか言いようのない作です。特徴が少ないので評価は下げてありますが本来はもっと評価されても良いと思います。
長郭手刔輪異極印(一分銀型) 【評価 2】 
長径48.3㎜ 短径31.75㎜ 
銭文径41.15㎜
 重量19.5g
寶付近の輪際が刔輪されているもののぱっとしない鋳写し、しかも真っ黒!極印は一分銀と似た桜の五花弁のような形状。不知天保通寶分類譜下巻P202にまったく同規格と思われる類品が掲載されています。
また、P86の3、4肥郭とされたものも同じ極印らしい。(英泉譜に一部銀型極印銭として掲載。)
長郭手 大爪百(大花押)      【評価 2】
長径48.55㎜ 短径32.0㎜ 
銭文径41.2㎜ 
重量21.1g
一回り小さくなっている鋳写銭。素朴な不知銭タイプで不知品としての選び出しには迷いません。直写しですが銭笵や素材の縮小が著しいケースなのかもしれません。
背の百や花押の角先端に修飾が見られます。
※88年4月の天保銭28PにD氏所蔵の品として記事紹介されています。もちろん原品のようです。
不知天保通寶分類譜下巻P83の7の大花押の原品でした。 
長郭手 異極印銭(花桐極印) 【評価 2】
長径48.0㎜
 
短径31.85㎜ 
銭文径41.05㎜
 22.5g
製作かなり良く、銅色やや青白いものの本座とほとんど変わりません。普通の1回写しの天保銭ですが非常に特徴的な極印が打たれています。桐が花部分と葉部分にはっきり2段に分離しています。これと全く同じ形状の極印を持つ覆輪の細郭手が存在します。花桐極印銭と名付けました。
長郭手 不正輪異極印(花桐極印)【評価 2】
長径48.3㎜ 短径31.8㎜ 
銭文径41.1㎜
 重量21.9g
この花桐極印銭は、平成25年の6月の雑銭の会(私は不参加)の資料中に、変形縦長桐は明治初期に盛岡藩領内で散見されるとあります。
面背の合わせが今一つしっくりしていないので、外輪が修正によって歪んでいます。類品の中では製作がやや劣るものの、本座に酷似しています。
長郭手 厚肉異極印(花桐極印)【評価 2】
長径48.0㎜
 短径31.85㎜ 
銭文径41.15㎜
 重量25.0g
2013年の銀座コインオークションの戦利品。下見の段階でこのタイプの品であることに気づいていました。
この類は銅質が安定していて製作も良いので力のある藩による密鋳じゃないかと思います。長径は小さく細縁なのにそれを感じさせません。重量25g、肉厚3㎜を誇る堂々とした姿です。
長郭手 縮形細縁       【評価 3】
長径48.05㎜ 短径31.9㎜ 
銭文径40.9㎜
 重量20.6g
鋳写しの上、磨輪されているのでかなりの縮形になっています。瓜生氏旧蔵品(仰寶様)という誘い文句に釣られてつい購入してしまいました。寶字は鋳走りによって寶足が前に突き出しているように見え、若干の修正で寶貝の二引きがゆがんでいることからそう感じる程度のもの。桐極印はあたかもカタカナのイあるいはナの字のような独特のもの。これが津藩(寛永の背イ)や南部藩の密鋳だったら面白いのですけど。
→ 天保通寶極印図鑑
長郭手 刔輪張足寶        【評価 2】
長径48.65㎜ 短径32.3㎜ 
銭文径41.05㎜ 
重量19.9g
寶下にやや強めの刔輪が見られるものの、銭文径の変化が少なく、覆輪銭らしくも見えず、全体に細縁になっています。しかしながら書体はどうみても張足寶の系統。穿内はべったりと四方向やすり仕上げです。
長郭手 縮形(三連尓)美制   【評価 3】
長径48.1㎜
 短径31.85㎜ 
銭文径40.95㎜ 
重量22.0g
銭径は小さいもののその他は見事なほど違和感なく。本座銭に酷似しています。子細に観察すると、穿内は4方向からやすりが入っているほか、輪極印が大きい特徴があります。
入札の落札品なのですが秋田のM氏の所蔵品であったらしく、氏の手書き札がついていました。そこにはなんと不知天保通寶分類譜下巻P8の8の文字が・・・。当然、英泉天保通寶研究分類譜の原品(1128)でもあります。
長郭手 刔輪離足寶        【評価 珍】
長径49.25㎜ 短径32.55㎜ 

銭文径41.0㎜
 重量21.6g
覆輪刔輪銭ですが、覆輪はわからないレベル。しっかり細縁になる寸前まで刔輪されています。寶尓の形状などからもともとは張足寶的な書体だったと思うのですが、輪と接する部分が削り取られて完全に離足寶になっています。目立たない不知銭ですがかなり少なく、私は初めて見ました。小川譜で7位、当百銭カタログでは美品16万~、類似カタログでは甚少。これっていったいいくらの評価なのか見当もつきませんが、本品はいたって地味です。存在的には大珍クラスだと思います。肌は滑らかで砂目を感じません。
長郭手 刔輪長足寶(離足寶手)【評価 少】
長径48.8㎜ 短径32.0㎜ 

銭文径40.6㎜
 重量21.3g
上記銭によく似ていますが、寶足が長く、前足は軽く、後足は鋳走りによってわずかに輪に接していますが、離足寶と言っても良いくらいのレベル。離足寶と張足寶との間を埋める存在か?
銅質はかなり赤味の強い黄銅質。
長郭手 覆輪           【評価 3】
長径49.0㎜ 短径32.5㎜ 

銭文径41.2㎜
 重量21.1g
真鍮銭ぽく見えますがそうではなく、ちゃんとした銅質の密鋳銭です。鋳写しとしては輪幅はかなり広めです。
長郭手 覆輪細字白銅質(鋳写母)【評価 稀】
長径48.8㎜ 短径32.1㎜ 
銭文径41.3㎜㎜ 重量20.0g
かなり細身の銭形。地肌はざらついていますが製作は丁寧で、背郭はきっちり整い、文字は鋳造前の段階で加工されています。側面が砥石で磨かれていて、無極印のようにに見えます。穿内は「べったりやすりがけ」。古い収集家の所有物らしく、右側には母銭の文字があります。これは母銭づくりの鋳写銭とのこと。
キュリオマガジン2015年11月号の落札品でした。
長郭手 覆輪白銅質(額輪様)   【評価 1】
長径48.9㎜ 短径33.2㎜ 
銭文径41.1㎜㎜ 重量19.2g
横太り形の長郭手。穿内はいわゆる「べったりやすりがけ」です。面白いことに土佐額輪のように、輪の内側が低くなっていて、段差がしっかり認められる場所もあり、覆輪の痕跡だったら面白い・・・と思う次第。極印はアスタリスク型としたものに似ていて、桜の花のようにも見えます。
長郭手 覆輪(背鋳割れ)    【評価 2】
長径48.7㎜ 
短径31.6㎜ 
銭文径41.0㎜(推定)
 重量20.2g
小ぶりながらしっかり覆輪されています。また、縦長でやや細い銭形が独特です。おそらく湯の圧力に鋳型が耐え切れなかったのでしょう。背の花押を袈裟懸けに切るように鋳割れが走っています。
天の上が鋳だまりで潰れているため銭文径は推定値です。穿内は面背両方からべったりやすり掛けされています。極印は下の葉がまん丸の変わった形状の桐極印です。
長郭手 覆輪真鍮銭        【評価 5】
長径48.85㎜ 短径32.35㎜ 

銭文径40.9㎜
 重量21.1g
石ノ巻銭に似た銅質(と、いっても
私が今まで見てきた印象の中での判断です。)で、1回写しのサイズ。

この銅色は明治~大正期につくられたものに近いのですが、銅質以外の制作には矛盾がみられずに極印、やすりともしっかりしていて古鋳の雰囲気。色が気にいらないので評価は高くできません。あるいは四文銭を潰して鋳直したものか?
長郭手 覆輪削字異極印    【評価 3】
長径49.1㎜ 短径32.4㎜ 
銭文径40.95㎜
 重量21.5g
やや白銅質ながら、規格的には本座銭の標準規格範疇に完全に入っています。銭文径が小さいことから覆輪銭になっていますが、非常に微妙な範囲。保点や寶貝横引きが細くなっているなど微細な削字は入っているものの、不自然さもありません。穿内はていねいなヤスリが4方向、背側から入っています。極印は十字状に見える異極印です。
 
長郭手 異冠當異極印(白銅質)【評価 2】
長径48.9㎜ 短径32.05㎜ 
銭文径40.9㎜ 重量23.7g
 
銅質は白味を帯びていますが、制作は肉厚でなかなか立派。背の當字の第1画が加刀で俯し、第3画も短く削られています。極印は鬼面か猫の顔のような形ですが、破損しているらしく左右とも半分しか打ち出されていません。おそらく覆輪銭だと思われます。 
長郭手 白銅質 天上削輪   【評価 少】
長径48.5㎜ 短径31.8㎜ 
銭文径41.6㎜ 重量20.9g
かなりの白銀色を呈する美しい天保通寶。銭文径は実際はもっと小さいが天字が変形しているため、実際より大きく出ている。銭径は磨輪のためかかなり小さい。なお、天の上の輪と天の第一画が強い加刀で地と合体変形しています。(そのため銭文径が大きくなってしまっています。)
長郭手 鋳写(覆輪)      【評価 3】
長径48.9㎜ 短径32.6㎜ 
銭文径40.9㎜ 
重量19.8g
ぱっと見て本座銭・・・大きさも大ぶりで問題ないサイズ。銅色も少し赤いけど本座の範疇。加刀痕跡もほぼなく、郭の仕上げも矛盾なし。
しかし、銭文径が縮み、極印も薩摩に似たとげとげしい形。
じっくり見れば輪の幅がかすかに太いのですが、それもほとんど分からない。見事のひとことです。
横に広い形状は覆輪刔輪の類を示しますが、痕跡がほとんど残っていないので、鋳写し銭とされてしまうと思います。(わずかに寶足が長く見えますが、これも分類名にするほどではありません。)
長郭手 狭玉連玉寶(陰起文) 【評価3】
長径48.5㎜ 短径32.2㎜ 
銭文径40.85㎜ 重量22.0g
不知天保通寶分類譜の下巻P59の28番の原品だそうです。上掲の背當細字と同じように當冠が歪み、分類名のように狭玉連玉寶でかつ小点尓、小点通、接点通です。もっともこれらの変化は若干の加刀はあるものの、鋳不足的な陰起変化かもしれません。郭内は4方向きれいに仕上げられています。また、やや横に膨らんだ卵型形状は覆輪変化であろうことを示唆していますが、残念ながら磨輪されてしまっているようでその点が明らかではありません。雰囲気は細郭手の覆輪連玉寶に実によく似ています。
長郭手 縮形削字(背上反郭) 【評価 3】
長径48.25㎜ 短径31.9㎜ 
銭文径40.95㎜ 
重量21.9g
銅色、制作とも本座と寸分たがわず、側面の桐極印もほぼ完璧。ただし長径が48.25㎜(通常は49㎜以上)しかなく、輪幅もわずかに広いため(覆輪によるものと推定)不知銭と判断できます。よく観察すると文字のところどころに修飾の痕跡があります。とくに背郭の上辺にははっきりとした加刀痕が確認できます。
長郭手 縮形削点尓寶(痩字天保)【評価 3】
長径48.2㎜ 短径31.9㎜ 
銭文径40.9㎜ 
重量20.6g
銅色、制作とも本座と酷似。あるいは上掲品と同炉かもしれません?外径48.2㎜と小さく背輪が歪んでます。天保の文字は加刀により細く、寶珎の王画右側と尓全体も削られています。
さすがに本座銭と並ぶとその差ははっきり分かりますが、単独で見たら見逃してしまうかもしれません。
これは古銭商の店頭で見つけたもの。
長郭手 縮形背横穿(異極印) 【評価 3】
長径48.35㎜ 短径31.9㎜ 
銭文径41.0㎜(推定)
 重量25.5g
銅色は本座と同じですが縮形です。背が全体に横ずれしたらしく、花押や文字が横広です。また、背郭が横広になったものをやすり掛けで強引に修正しようと下らしく、長郭でありながら背側穿は横広です。
極印も変わった形の異極印です。
(天字に鋳だまりがあるため銭文径は推定値です。)
長郭手 鋳写拡穿        【評価 3】
長径49.1㎜ 短径32.55㎜ 
銭文径41.1㎜ 重量21.4g
若干覆輪があるもののほぼ本座に近い製作です。郭の仕上げが粗雑で四方に押し広げるような強いやすりになっています。
長郭手 陰起文(蝕字様)   【評価 3】
長径48.15㎜ 短径32.0㎜ 
銭文径41.1㎜
 重量20.2g
鋳造時の湯圧が不足していたのか、文字のあちこちが陰起してはっきりでていません。鋳肌はのっぺりしていて、鋳浚いをしたした雰囲気(条痕はありませんが)感じ取れます。桐極印はしっかりあるのですが、その極印のそばに何らかの極印?らしきものが左右に打たれています。あるいは識別のための符合なのかもしれません。
長郭手 細字波冠寶       【評価 3】
長径48.3㎜ 短径31.9㎜ 
銭文径41.2㎜
 重量19.1㎜
文字は細く、かつ弱々しい。湯圧不足による陰起に加えて、文字の太さも加工もされたようです。銅色や側面の雰囲気は本座とほぼ同じ。ただし、穿内は全体にべったりとやすりがかけられています。
寶冠が歪むところが非常に目立ちます。
長郭手覆輪陰起文          【評価 1】
長径48.25㎜ 短径31.8㎜ 
銭文径40.85㎜ 18.1g

非常に本座に似た銅質で素朴な品。いわゆる写しの品ながら不知銭らしい風貌もあります。おそらく覆輪銭なのでしょうが、面側からはそのような雰囲気はあまり伺えず、背の輪にその雰囲気が良く伺えます。
文字は鋳不足でもあるのですが山形に細くなるように加工されているようです。
側面の極印は桐型ながら横打ちです。
長郭手 削点尓寶縮形薄肉広穿  【評価 5】
長径47.60㎜ 短径31.20㎜ 
銭文径40.55㎜ 重量13.5g

縮径銭としては限界に近いサイズ。銭文径もかなりの縮小で再写しかもしれません。特異なのはその薄さ。重量13.5g、肉厚は2㎜しかありません。大きさともに流通が心配されるサイズです。
書体変化はあまりないものの寶尓の前点が小さくなっています。
真鍮質なので、明治、大正期の作かもしれません。評価はそのためグッと落としました。

長郭手 覆輪刔輪残痕     【評価 2】
長径49.0㎜ 短径32.5㎜ 
銭文径40.9㎜ 重量22.2g

銅色、鋳肌は初期の薩摩藩銭や琉球通寶に良く似た黒褐色で、側面には極小の桐極印が打たれています。覆輪刔輪銭で文字が縮小し寶前足が少し長く変化しています。刔輪痕跡があちこちに見られ、背輪右側は不完全な状態のままで作業が終えられています。郭内は滑らかで角もきっちりやすり掛けされています。

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