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10.岡山小字銭

旧譜の水戸、仙台、岡山銭はどの範疇にも属さない銭貨群を銅質や制作でとりあえずまとめている感があり、古寛永分類を非常に難しいものにしています。書体的には太細銭でも良いのではないかと思いますが、大きな加刀文字変化がありませんし、銅色や制作も少し違います。とにかく文字が小さく、こじんまりまとまっていますので慣れれば選別は容易でしょう。
特徴:文字が小さく刔輪され極端に寄郭している。深彫りで美銭が多い。
 
小字                【評価 10】
刔輪により4文字とも寄郭する。非常に制作が安定しており、文字の彫りもかなり深く美銭が多い。またわずかに仰頭永気味になるのも特徴。銅色は純黄色が多く、岡山俯永類、太細銭とも少し違うような気がする。岡山銭泉譜(吉備古泉協会刊)によると純白のものも存在するらしい。
小字刔輪(細縁)        【評価 6】
面背とも刔輪の度合いが大きくなっているもの。古寛永銭志にも未掲載なので、どのくらいの評価をすべきかはよく判りません。

※穴銭入門(静岡いづみ会編 収集誌掲載)によると小字細縁とされ掲載されています。たしかに細縁大字ですがやはり刔輪度合いが強いように見えますがいかがでしょうか?
小字白銅質(刻印銭)    【評価 ?】
純白のものを探していたら、ネットオークションでそれらしきものを発見。かなり白く背だけ見たら本当に長門銭のようである。純白と言い切るのにはあと一歩か?
なお、この銭は刻印銭として出品されていたもので背輪に小刻印が2ヶ所打たれています。
小字手濶縁 小字手 短尾寛次鋳銭
亜種と類似品
小字手濶縁・小字手・短尾寛次鋳銭

小字手は長尾寛気味で小王寶になるそうです。辵頭が俯すように見えます。別種というより亜種でしょう。

短尾寛の小字になるものは書体は似ているのですが文字が離郭します。また寛尾が極端に短いのでも判別できます。

このほかにも太細銭の小字系には紛らわしいものがありますが、刔輪の特徴を押さえれば間違うことはありません。

穴銭入門(静岡いづみ会編 収集誌より)
岡山小字と小字手については しらかわさんのホームページ
コインの散歩道 古寛永・(称)岡山小字~小字手濶縁 
にも詳細説明があります。是非ご参照下さい。
  
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11.岡山縮字銭

この銭貨を分離したのも上掲銭と同じ理由です。なぜこれを岡山銭としたのか明確な理由が私には判りません。独特な書体ですので、ひとまずここでこれらを岡山銭群から分離して分類しておくことにします。書体はほぼ一手で、狭穿と広穿に分かれます。
特徴:文字が萎縮した感じで、通字のしんにょうの形状が独特。
 
縮字                【評価 10】
内跳寛、縮通ですぐに判る書体。白銅質気味のものが多い。刔輪されているものがありやや少ない。(下掲示拓)
穴銭入門(収集誌より)
縮字広穿                       【評価 10】
広穿はやや肥字気味になる。その他はほぼ同じ。
縮字(長門銭様)
縮字は白銅質のものが多く、中には後述する長門銭と見間違えるような制作のものがある。掲示品は背郭がいびつで、銅質と背を見る限りは長門銭と同じように見えるもの。参考までに・・・。
 
 
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12.長崎銭(建仁寺銭)

静岡いづみ会の穴銭入門 古寛永編ではこの銭貨を長崎銭としていて、制作や長崎元豊との類似性からかなり確立が高いと思われます。そこで思い切って建仁寺の名前を捨てて、長崎銭の呼称を採用することに改めました。
通常この銭は銭譜の最後の方になることが多いのですが、分類しやすさを重視して配列していますのでこの位置に出てくることをお許し下さい。制作は比較的安定しており、古寛永としては最末期のものです。書体変化もあまりなく存在も多いので、どちらかと言えば古寛永としては雑銭の部類です。銅色は紫褐色~黒褐色が多く、末鋳小様のものも混在します。

大字 小字 に大別されます。
特徴:デザインされた文字が銭面いっぱいに配置されている。
 
大字                【評価 10】
独特の書体で大きな書体変化はない。存在も非常に多い。大字狭寛という名称もあるが、他銭と区別するためだけのものに過ぎず省いても支障はないと思うので省略した。永字ノ画の打ち込みが長く、払いが短いので非常にバランスが悪い。
小字(外跳寛)                   【評価 8】
小字は寛足が広く広がる。書体変化として外跳寛がある。本銭は画像にしてはじめて気がついたもの。現物は真っ黒でよく判らなかった。また、背郭左上に星がある。長崎銭には良く見られる現象である。なお、通常の小字の位は10である。
小字(長足寛)         【評価 7】
寛後足が高く跳ね、前足がわずかに長く、郭の外側に出る。長崎銭は雑銭だが長足寛は意外に少ない。本体銭に比べてやや濶縁縮字になる。
  
  
  
入札とオークション
 

入札は【この商品にはこれくらいの価格は払っていい】という値段を書いて、往復はがきなどで札入れします。落札価格=最高価格ですが、相手の出方が見えないのでかなりギャンブル性があります。ひとり相撲で高値入札してしまうこともあれば、思わぬ掘り出し物にめぐり合うこともあります。私の経験では本当に欲しいものには高値で入札していますが、どうでもいいと思って応札したものが案外安く良いものだったケースが多いようです。(要するに無駄遣いか?)安心のためには拓本掲示のある入札誌が良いでしょう。
状態表示については各主催者によってまちまちで、非常にシビアに判断しているところから、かなり下駄をはかせているところまであります。一般的には個人業者系はやや甘めで、複数の古銭家が関与しているところはシビアな傾向があります。その点は実際に入札を行なってから自己判断するしかないと思います。(ネットには書けません!状態表示が甘くとも安い商品提供しているところもあります。)
ただし、中には詐欺すれすれの販売や、最初から市場価格より高く設定してあって売れたらもうけもの・・・みたいな主催者さんもいるかもしれません。高額品の入札にはくれぐれもご注意を!

オークションは会場で直接相手と競り合うのが基本で、これも最高価格=落札価格です。競合相手が見えているので熱くなるととんでもない価格まで値段がつりあがります。その分、滅多に見られない珍品にめぐり合うことも多いようです。
また、オークション後半はみんな予算を使い果たしているので競合なく落札できることもけっこうあります。とはいえ、金のあるものが勝者になるという資本主義の原理を一番強烈に見せつけられるのがオークションです。参加する場合は熱くなりすぎないよう、あらかじめ上限価格を決めておくこと、できればお金は予算以上?に用意しておくことをお勧めします。

郵便による代理入札制度を併用しているオークションもあります。これは代理人が郵便入札者の予算限度価格を見ながらオークションに参加するものです。
国内のオークションはすべて代理人=オークション主催者で、(最高)郵便入札価格からオークションをはじめる傾向にあります。これでは郵便入札はスタート価格をつりあげる材料にしかならないので、ひとりでも競合相手が現れれば競ることなく敗れるのは目に見えています。また、競合相手がなく落札できたとしても、入札価格=落札価格になるのでものすごく高い買い物をすることになります。結局、ほとんどのオークションは参加しないと良いものは手に入りません。

その点、銀座コインオークションの郵便入札制度は秀逸で、代理人が予算限度内でオークションに参加する形式が守られていますので郵便入札でも他者と競合することができます。つまり、郵便入札者は提示予算より安い価格で商品を入手できるのです。
この形は代理人入札制度の本来あるべき姿ですので、主催者としてはうまみは減りますが見習うべきだと思います。

銀座コインにはメイルビット・オークションというものもあるようです。参加者は全員郵便入札者で、最高価格を入れた方が落札することは同じですが、価格は最高価格で決定するのではなく、2番札の価格との中間価格で落札価格が決まるため落札できるとものすごく得をした気分になります。その分ギャンブル性も高くなりますので応札には頭をつかうことになります。

ネットオークションについては、このホームページを見ている方なら説明不要だと思います。情報伝達が早いという利点がある反面、詐欺や価格のつりあげ操作などの危険性もあります。また、商品が届くまで内容確認もできません。ギャンブル性が高い分掘り出しものの可能性もあります。実は私はネットオークション初心者でまだよく仕組みが判っていません。迷惑だけはかけないようにしていますので、お願いですから私とは競合しないで下さい。

入札やオークションが嫌いな方は骨董商や古銭商を頼ることになります。コインフェアなどでは初日に行かない限りめぼしいものはほとんど売れてしまいます。商品を手にとって見られる分安心ですが、価格もそれなりです。ただし業者も人の子、目こぼしによる拾い物もあります。へそ曲がりの私は、普通の人が夢中になるような珍品より、できそこないとか手替わり、銅替わりばかり探しています。これなら競合者も少なくお金もあまりかかりません。
お金持ちの方は業者の方から声をかけてくれるそうです。通称【かばん屋】と呼ばれる業者さんだそうですが、残念ながら私はお目にかかったことはありません。グリーンジャンボが当たったときは業者さん、来てください。

とっておきの手法があります。それが盆回しと呼ばれるもので、古銭会における交換会兼競りのようなもの・・・らしいです。残念ながら私自身参加したことがないので内容がわかりません。競合者が少ない場合はお友達価格での入手が可能のようです。古銭会に属さないと参加権利がありませんので興味のある方はどうぞ。各地区の古銭界の情報については収集誌ホームページで調べると良いでしょう。

 
 

 
平成16年江戸コインオークションに参加して
制作日記にも書いたように、10月10日、品川パシフィックホテルにて行なわれたオークションに参加しました。スタートの頃はお客さんが少なくて、田宮社長が必死に話を伸ばして入場者待ちをしているおりました。(失礼)

オークションに参加する人種はおおまかにいって3種類います。
まず目に付くのはコイン業者さん達です。これが意外に多い。彼らは仕入れを目的とするのはもちろんのこと、売れ筋の見極めや価格情報を収集しています。逆説的に言えば、このような大きなオークションに参加しない業者さんは流行に後れて生き残れないのです。業者さんは量的な確保を目的にしていますので攻めるときは攻めますが、引き際はあっさりしていて挑戦するジャンルも広くなります。ただし、ときにはお客様の代理人として参加していますのでそのときはなかなか降りません。

第2のタイプは一般的なマニアです。彼らは収集品の欠品の穴埋めを第一としていますので、ときには相場を無視したとんでもない価格まで粘ることがあります。ただし、総予算に限りがありますのでオークション後半にはたいてい息切れしています。また、自分と家族に対する無駄遣いの言い訳を常に考えていますので、応札するときは顔を上げずにときには目をつぶっていたりします。落札できないときには一応くやしそうな表情をしますが、その中に安堵とあきらめの色が見え隠れします。狙うジャンルはごく狭く、目当ての品を落札すると他の出品には目もくれず帰ってしまいます。(私はどちらかといえばまだこの部類に属します。)

第3のタイプはコアなマニアで蒐集家と研究家タイプの方々です。彼らは人が持っていないものを手に入れることで無上の喜びを得るので、珍品に対しては徹底的に競り合います。彼らの戦いでは10万円単位の競りがときとして起こります。一方でときには徒党を組んで、同じジャンルのものを買いあさります。その結果、商品の集中化を生み出して、市場価格を左右します。一見、蒐集家と研究家は違うようですが、お金持ちが多いということが共通しています。仕事をセミリタイアした年配の方々が多いようです。一般のマニアにとっては困った存在に思えますが勝負する土俵(価格帯)が違うことが多く、彼らなくしてこの世界の商売は成立しません。

会場を見回すとほとんどが脂ののった中高年者ばかりで、間違ってもシャラポアやドキッチ、藤原紀香はいません。女房に言わせると会場はマニア臭くていられないそうです。私も多分同じ匂いです。この点はこの世界の閉鎖性と暗い将来性を物語っているようで心配しています。

外国コインですが日本にはまだ層が薄く、購入しているのはコアなマニアの方々ばかりです。ほとんどが無競争でしたが、やはり歴史的、美術的な価値のあるコインには人気が集中していました。(不落が多かった・・・ような気がしていましたが、落札表を見ると全品落札でした。)

お札のマニアはほとんど会場に顔を出さず、郵便入札ばかりです。ただし、びっくりするような応札もあり、コアなマニアが全国に点在するようです。こちらは不落が目立ちましたが、旧国立銀行券20円新潟はなんと1520万円ですって・・・。すごい!

近代貨は状態によっての価格変動が著しく、マニアの見る目が厳しいなと感じました。同じ銘柄の品物なのに10倍以上の価格差が出ることもあり、反対に状態が並以下のものは見向きもされません。高額商品も出ましたが低額での落札も多かったと思います。

皇朝銭は非常に人気が高く、鐚銭も骨唐国や加治木銭などが高額落札していて層の力強さを感じました。やはり古いという歴史ロマンが財布のひもを緩めるのでしょうか?一方で最近、海外から入荷の相次いだ鐚銭については厳しい評価がされたようです。

ここのところ人気薄の天保銭ですが今回はまずまずだったのではないしょうか。珍品が少なくて購入しやすかったのかもしれませんが、研究家の方々がことごとく買いあさっていたのが目に付きました。

絵銭はちょっと逆風でしょうね。目玉商品が少なかったためかもしれませんが不落が非常に目立っていました。

分金銀、大判、小判類はそれなりに人気があるようですが、最近は細分類が行なわれていて人気の有無による価格変動が激しかったように思います。目だった商品では貨幣図録を飾った雁ヶ金蛭藻金や銀座刻印銀などが不落でした。ロット品の売れ残りが出るなど、バブルの頃には考えられなかったことです。

さて、寛永通寶ですが今回はけっこうマニアがたくさんいらっしゃったようです。ただし、資金的な余裕が皆あまりなく、一点豪華主義の方々ばかりです。競り合う単位が低いのですよね。状態の悪いものや中級品に不落がありましたが、まあこんなものでしょう。

地方貨、丁銀、豆板銀、ファンタジー類については帰宅の関係で見ていません。ごめんなさい。

参加者について全般的に感じたのは状態による差別化をする方が増えて、完全美品とそうでないものとの価格落差が非常に激しくなったことです。この現象は数年前までは近代貨幣にのみ見られていたのですが、現在は全ジャンルに伝播する勢いを見せています。また、細かい分類も進んでいて、古銭商も勉強しないと付いてゆけない時代になりつつあります。

オークションの流れは比較的スムーズでした。なかにはオークショナーが調子に乗って5000円とか1万円刻みで価格を上げてゆく場面がありまして100万円くらいする品物ならともかく、設定価格1万円の品物にこれはないでしょう。(でも応札する人がいるんですよね。)価格の刻みには一定のルールづけが欲しかったと思います。
郵便入札の2番札からオークションを始めるのは良かったと思います。ただし、主催者が競りの途中で郵便入札の価格を公表することがありましたが、これはルール違反で、会場に来てくれた方を優先したいという言葉はありがたいのですが、郵便入札をしているのは参加したくてもできない方々ですのでオークショナーはあくまで中立であるべきだと思います。さらには郵便入札の場合は2番札の〇〇%上の価格で落札・・・と、してくれたらベターです。

問題点はいくつかありましたが総合的には良い内容のオークションだったと思います。清算もスムーズでしたし、人員配置も適当で内容も確実に進化しているな・・・という印象を受けました。

※10月14日 落札表が届きました。一部勘違いなどもありましたので、加筆訂正させて頂きました。
 

 
平成16年銀座コインオークションに参加して
11月20日、銀座帝国ホテルで開催された銀座コインオークションにも参加してきました。日程の調整がつかず、一時は参加を断念しかけたのですがなんとか会場までたどりつくことができました。下見もしていなかったため、早朝8時に会場入り・・・という具合です。

今回の目玉はなんといっても古寛永の開元手、それに寛文様の母銭が光ります。(あくまでも寛永銭の世界の話ですが・・・。)その他にも沓谷金銭、元和手銀番銭、二水永正三や横大路の異爪寛母銭、佐渡鉄銭座背広郭母銭、水戸濶字背ト母銭あたりが高額品です。
母銭類の出品が多かったのですが、残念ながら私は母銭にはあまり興味を感じていない(収集範囲を広げると財政的に追いつかないからという理由が本当のところですが・・・)ので、特に欲しいものもなく半分様子見の参加の・・・つもりでした。

会場では前の方の席をとると、隣は古銭業界の老舗賞山堂さんでした。そのほかにもそうそうたる古銭商の方々や研究家達が陣取ります。名前は知らなくても常連のつわものぞろいです。もっとも軍資金豊富な方々とは違い、私の方は財布の中は淋しいばかりでしてオークションに参加する対象にしても彼らとは2ケタも3ケタも違います。

午前9時30分に競りがスタート。はじめは皇朝銭類でいきなり古和銅銀銭大字が設定価格の100万円アップの260万円です。その後も万札が頭の上を飛び交うような競り合いの応酬で、皇朝銭の人気の強さを改めて感じました。江戸コインオークションの際にも感じたのですが、状態差による入札額の差異が非常に激しく、大様で状態の良い品に対する評価は青天井といった感があります。少し前までは青錆美品なんて言葉がありましたが、今はあくまでも無錆伝世が人気です。

さて、寛永銭ですが開元手(設定価格50万円)は135万円の値がつきましたが、二水永正三(設定価格50万円)や横大路の異爪寛母銭(設定価格25万円)は競りが起こらずそれぞれ40万円(設定価格割れ)と30万円で終っています。さらに寛文様はついに購入希望者が現れないという淋しい結果になりました。その中で佐渡鉄銭座背広郭母銭は160万円(設定価格80万円)、水戸濶字背ト母銭は88万円(設定価格70万円)と高額落札でした。

私はというと母銭は興味がないと言いながら、10000円前後で応札がなかったもの・・・つまり設定価格割れの安物に、冷やかしと儀礼参加していたのですが、ロットNo192番の七条銭進永(実は退永小通の誤りです。191番も退永です。)で札を降ろすのが遅れて落札してしまいました。それから慎重になって272番仰寶次鋳母銭、283番水戸逆トは額面割れでGETしました。
額面割れなら買っていいな・・・と思っていたロットNo468番の絵銭向駒背寛永(宝珠駒背永楽とセット品)は競りが起こってしまい降り・・・。その反動で469番の二表入駒曳背寛永(他2種と組物)は応札者がだれもいなかったので、額面割れでGET。

終ってみれば見事な安物買いで、それでも4万円以上の出費とはこれまた見事な銭失いです。どうも銀座コインの竹内氏の術中にはまってしまったようです。下見で見てほれ込んだロットNo281番の津縮字打製母銭でしたが、こんなものが額面割れするはずもなく、72000円でメール落札していました。どうせ安物買いをするのならこれくらいを購入する根性を見せれば良いのですが・・・。

なお、度々登場する額面割れ・・・云々の表現ですが、これは銀座コインオークションならではのシステムで起こる現象で、応札者が複数いない場合は設定価格の80~90%から競りが始まるもので、これは郵便入札者についても適用されます。したがって応札者が一人なら額面割れ落札が起こります。競りは会場の競合者がいなくなった段階の価格で終了しますので、郵便入札者でも設定価格以下で入手できる可能性がかなりあります。この制度はコレクター側にとってはすばらしいと思います。ただ、出品者および主催者にとって額面割れはちょっとつらいことでしょう。ですから、郵便入札に限り最低価格以上の分譲として、郵便入札者が誰もいない場合(オープンと宣言されます。)に限り、額面割れからの競りからスタートするとしても誰も文句は言わないと思います。(額面割れ購入は会場参加者の権利にしましょう。)
また、江戸コインオークションのときでもそうでしたが、郵便入札者の設定価格については途中公表しない方が良いと思いますよ。
それにしても入札システムについては銀座コインのものが一番秀逸であり、他もこれを見習って欲しく思います。

寛永銭についても不落品は比較的少なかったのですが、目玉商品以外の中堅商品が少なく、たまたま不落品になったものが高額商品だったせいもあり、少し厳しい内容になったかもしれません。一方ではコレクター側としては良いものを安く入手できる絶好の機会でした。たとえば伏見手の母銭が6万円ぐらいで落札していましたが、これは江戸コインオークションの半値程度です。同じように難波銭の母銭の落札価格も15000~20000円前後とかなり安い水準でした。長門奇永垂寛手本銭が12000円でも応札者が現れないなど、異常事態かもしれません。私が入手した逆トの価格は9000円でしたが、これは手数料を入れても現市場価格よりかなり安くなっています。ここのところオークション続きで、コレクターの経済事情もかなり厳しくなったのでしょうか?それとも寛永銭の世界にも落日の影が忍び寄ってきたのでしょうか?

会場は熱気に溢れていましたが、私は家族サービスのため穴銭の部終了段階で退散です。ですから他のオークション結果がどうなったのかは判りません。当然ながら大手町で行われていたコインフェアには行けませんでした。(残念!)
余談ですが会場の応援にいる女性達はみな選りすぐりの美人ばかりで、不埒な私はそちらのほうばかり気になってしまいました。会場を去る間際、記念に天正長大判(設定価格3000万円)も下見させて頂きました。まさか直にさわらせて頂けるとは思いもしませんで、小市民の私は恐れ多くてほとんど触れる事ができませんでした。(もったいなかったかな・・・。)
とにかく楽しくも忙しい一日でした。
  

 
平成17年銀座コインオークションに参加して
 
11月26日 気持ちの良い秋晴れ。私は子供の頃に戻って遠足に出かける気分で高速道路を早朝から飛ばしていました。今回のオークションは方泉處コレクションが出品されるとあって注目度は抜群です。一方で大量珍品流出によって古銭相場暴落をも予感されたのですが、結論から言うとそれは杞憂に終ったようです。一言で申せば良い品物は強かった・・・ということです。それではオークションについてをご報告申し上げます。

【皇朝銭類】
古和同開珎縮字大様銀銭 上品 (参考価格350万円) →  440万円
古和同開珎縮字大様銀銭 美品 (参考価格190万円) 240万円
古和同開珎大字銀銭 美品 (参考価格180万円) 250万円
和同開珎長珎 上品 (参考価格70万円) 155万円
和同開珎四ツ跳異書厚肉 上品 (参考価格80万円) 72万円
萬年通寶円点年大様 上品 (参考価格80万円) 36万円
神功開寶力功背旋辺 上品 (参考価格7万円) 30万円
神功開寶長寶 上品 (参考価格35万円) 460万円
隆平永寶長頭永 上品 (参考価格80万円) 270万円
富寿神寶大様 上品 (参考価格50万円) 140万円
長年大寶大様 上品 (参考価格30万円) 300万円
饒益神寶 美品 (参考価格85万円) 155万円
延喜通寶大字        上品 (参考価格15万円) 80万円

※和同の四ツ跳と萬年通寶の円点年大様が思ったより伸びなかったのですが、おおむね順調な入札。皇朝銭恐るべしの印象です。収集家にお金持ちが多いのでしょうね。状態が良い珍品は青天井相場になる傾向があります。背旋辺のような制作技法に特徴のあるものも高い評価を受けています。一方、状態が落ちるものの評価はかなり厳しい結果が出ています。

【太閤金銀・鐚・宝永・文久・琉球銭】
天正通寶大字銀銭 美品 (参考価格38万円) →  52万円
文禄通寶銀銭 美品 (参考価格110万円) 180万円
永楽通寶打製金銭自楽跋永 美品 (参考価格120万円) 130万円
永楽通寶鋳造金銭 上品 (参考価格45万円) 72万円
寛永通寶元和手番銭 美品 (参考価格75万円) 90万円
寶永通寶母銭 美品 (参考価格50万円) 56万円
文久永寶小字 上品 (参考価格28万円) 不落
中山通寶 並品 (参考価格180万円) 不落

※全般的に強烈な競り合いは起こりませんでした。太閤銀銭類は銀座コイン鑑定書がついていてもコレクターが警戒していて不落が目立ちました。同様に状態的にやや劣るものは大珍品でも厳しい結果になったようです。

【寛永通寶類】
初期不知銭太平手     佳品 (参考価格55万円) →  80万円
初期不知銭永楽手 美品 (参考価格35万円) 92万円
初期不知銭二水大寶 美品 (参考価格85万円) 100万円
初期不知銭狭穿大字 上品 (参考価格65万円) 64万円
初期不知銭魚尾寶 上品 (参考価格85万円) 不落
正字背文鋳浚母銭 美品 (参考価格2.5万円) 5万円
退点文小文母銭 美品 (参考価格15万円) 16万円
島屋文磨輪母銭 極美品 (参考価格120万円) 180万円
幻足寛小字母銭 美品 (参考価格75万円) 90万円
天明背佐 上品 (参考価格98万円) 98万円
難波高頭通原母銭 極美品 (参考価格18万円) 33万円
小梅手母銭 美品 (参考価格45万円) 76万円
小梅手銅通用銭 上品 (参考価格25万円) 36万円
白目中字輪玉刻印銭 上品 (参考価格45万円) 40万円
背川見仕立母銭 美品 (参考価格16万円) 24万円
筋違川 逆川 並品 (参考価格3.5万円) 7.2万円
奴銭 母銭 美品 (参考価格150万円) 180万円
小字降寶背元母銭 美品 (参考価格15万円) 17万円
稟議銭亀戸小様 美品 (参考価格20万円) 17万円
長尾寛肥字 美品 (参考価格120万円) 160万円
明和大字母銭 美品 (参考価格150万円) 500万円
明和大字通用銭 美品 (参考価格160万円) 520万円
文政小字安政式母銭 極美品 (参考価格6万円) 8.8万円
安政大字 上品 (参考価格12万円) 29万円
仰寶磨輪母銭 上品 (参考価格2.5万円) 5万円
背盛大様母銭 美品 (参考価格8万円) 25万円
マ頭通虎の尾寛 佳品 (参考価格6万円) 10.5万円
背山母銭 上品 (参考価格48万円) 48万円
仰寶大字米字刻印母銭 上品 (参考価格38万円) 37万円
ノ字様背イ刮去母銭 美品 (参考価格48万円) 43万円
広波背イ母銭 上品 (参考価格45万円) 40万円
仰永手深字原母銭 美品 (参考価格12万円) 32万円
小字背ト母銭 上品 (参考価格75万円) 不落
背ア母銭 美品 (参考価格130万円) 120万円
踏潰広永母銭 美品 (参考価格25万円) 30万円
試鋳貨幣寛永背元六銭 美品 (参考価格28万円) 30万円

※寛永銭類は比較的堅調なオークションでしたが、やはり目の肥えている方が多く、これぞといったものには人気が集中しました。しかしながらさすがに高額品が多数出品されすぎたため、鉄四文銭あたりではやや息切れ気味だったようです。

【天保通寶類】
山口縮通系鋳浚銭      上品  (参考価格25万円) →  50万円
仙台大濶縁 美品 (参考価格295万円) 420万円
仙台広郭 美品 (参考価格70万円) 58万円
秋田細郭母銭 上品 (参考価格60万円) 不落
旧会津萎字大広郭 美品 (参考価格45万円) 40万円
奇天 美品 (参考価格360万円) 660万円
奇天手 美品 (参考価格70万円) 110万円

※最近はやや不人気の天保銭ですが、さすがに良い品物には人気が集中しています。ただし、やや高額品においては価格傾向としてはまだ下がる雰囲気があります。今回の盛り上がりはむしろイレギュラーなのではないでしょうか?

ここで私の狙いをつけた品を白状しましょう。
予算に限りがあるためまず
古寛永と天保銭は参考価格を割らない限り手を出さないことを決め込みました。

古寛永は水戸と仙台の大様銭、あとは二水永類の美品の背三あたりの様子を伺ったのですが、当然ながら参考値割れはなし・・・。長嘯子(参考価格6万円)が参考値割れして54000円になったときよほど行こうかと考えましたが、後々の予算を考えてしまい手が挙がりませんでした。

予定では・・・
正字背文鋳浚母銭、天狗寛永を小手調べに応札。
小梅手銅銭、高津小字降寶母銭、稟議銭亀戸小様、安政大字、を本命筋としてこれらのいずれか一品を入手。大本命は小梅手銅銭。対抗は高津小字降寶。稟議銭亀戸小様、安政大字は前2銭の結果次第。
③これらがだめだった場合
試鋳貨の元六銭あたりを狙う。
難波原母銭、水戸原母銭、退点文小文母銭、背川母銭、背盛大様母銭、マ頭通虎の尾寛は流れ次第で狙う。
⑤小物の極美品は
参考値割れ付近で狙う。
と、していました。
また、当日の下見の段階で
文政小字の安政式母銭に惚れこみこれもターゲットに入れています。

ところがいざふたを開けてみるとなかなか手が挙げられない。正字背文鋳浚母銭は参考値が高いから狙い目・・・と思っていましたがやはり目の利く収集家が何人もいました。これ
普通の母銭とは違うすごく良いものなんです。制作の違いを知る良い資料としての価値が高いのです。と、いうわけで競り負けです。
天狗寛永は毎年敗れているし、写真写りが悪いからもしやと思っていましたが初値10万円はひどい。手を挙げる気にもなりません。
一番欲しかった小梅手銅銭は死ぬ気でいったれ・・・と考えていたのですが30万円を超えたところで怖くなって降り・・・と、ここまでは順調に惨敗をしています。

小梅手がだめだった場合の対抗・・・高津小字降寶母銭は郵便入札がなくて参考値未満からの開始で、行くっきゃない・・・と札を挙げたら競りになってしまいました。手を降ろすつもりだったのですが一瞬降ろし遅れて17万円の落札(参考価格15万円)です。
これ実は本当に大きな母銭で地味なのですがすごい名品なのです。母銭にはあまり興味が湧かない私でも注目していました。穴銭入門をひもとけば通用銭鋳造用とは別の目的に作られたものではないかとされています。高津小字降寶の通用銭の最大サイズでも23㎜程度ですので23.57㎜はその母銭としても大きいのです。しかも非の打ち所のない極美品。自画自賛になりますがこの価値を見抜ける方はかなりのマニアであり目利きなのですよ。と、いうわけでここで予算のほとんどがなくなってしまいました。

稟議銭亀戸小様は参考値割れしたので手を挙げようと思ったら有名古銭家のⅠ氏に先に手を挙げられて戦意喪失しました。頑張っても良かったのですが絶対勝てないんですもの。(お金もないしね・・・)

その余韻で文政小字安政式母銭は手を挙げる気になれず後悔しきりです。

でもって裏の本命、安政大字はまたしてもⅠ氏との戦いです。こんどは頑張りましたが結果は予想通りです。
試鋳貨の元六銭は欲しかったのですが心のブレーキが働いてしまい競りの参加ができませんでした。

寛永銭が終った段階で(お金がないので)退出。お昼ごはんを食べて帰ってきたらちょうど天保銭になったところです。参考値割れのものを狙っていたら秋田細郭通用銭が参考価格3万5000円のところ2万5000円からのスタートです。安いと思って手を思わず挙げてしまいました。無論冷やかしで3万円になったら降りようとしたのですが見事な逃げ遅れ・・・2万9000円で私だけになってしまいました。と、いう

欲しいものがたくさんありましたが結果は2点のみ・・・それでも高津小字降寶母銭を入手できたので一応満足・・・かな?試鋳貨の元六銭は行くべきだったかなぁ?
 
 
平成20年江戸コインオークションに参加して
 

行って来ました江戸コインオークション。やってきました無駄遣い。
今回もカバンの中に天保銭と4文銭のアルバム2冊をしのばせ、推定総重量15Kgといういでたちです。(馬鹿です。)
連休中の好天とあって下り方面は大渋滞ですが、上りはスイスイです。会場に到着したのは11時。まだ、会場には人はほとんどいません。とりあえずは腹ごしらえ。駐車料金を安くするためにホテルの中華レストランへ・・・。(うまかった!)
オークションはほぼ定刻どおりスタート。今年の田宮会長のお話は短かった。だからというわけではないのですが会場はまだ3割の入りです。長丁場ですのでお目当ての品が出るまで出勤しない方が多いようで・・・。
実は私の後ろに天保銭四天王のひとり、
秋田のM氏がいらっしゃったので、オークション開始前にずうずうしくもご挨拶。
スタートがマニアックな近代札だということもあったのですが、会場で競りが起こらない。たんたんとメール落札が続きます。はじめての競りは6番。それもさして上がりません。不落もちらほら。19番、25番、32番の高額品が落ちません。

ここでM氏が会場を後にしたので、私も追いかけて休憩場へ。さらにずうずうしく、
天保銭の神様に教えを乞いました。
まずは古銭の保存法について『ビニールホルダーはいかん』とのご指導。私は気に入っているのですが、何でも火災に会ったら全部駄目になるとのこと。桐箱に限るそうですが、その前に火災に会わないように気をつけます。火事による家の損失より、古銭の損失を一義に考える姿勢・・・やはり神様は違います。
次に中郭の見分け方などをご指導頂きました。私の所蔵品を見ていただきましたが、微妙なところで中郭手になるとのこと。やはり中郭は貴重品のようで、仙人への道のりがまた一歩遠のきました。
本座と密鋳の違いとして・・・
本座は郭内の仕上げが3ヶ所の場合が多く、4辺がきれいに仕上げられるものは密鋳とのこと。M氏の場合、微妙なものはとりあえず本座と判断されるようで、不知品の判断は結構厳密のようです。
明治29年までの新貨交換の実績で見ると、天保銭の不知品は約3割あるそうで、それから考えるとウブ銭の中に3割は本座以外がある勘定になりますが、実際にはそれほど見つからないのが現状です。いわく、本座と寸分違わぬ不知品がたくさんある!
そこで
M氏は本座広郭銭を100種類に細分類したそうです。下々のものには想像と理解を超えたすごさです。

以下は天保仙人との談義を含めて神様M氏から拝聴した語録です。
①本座の種の銭文径とて一定ではない。規格ばかりにとらわれるな広郭とて100種はある。
 ※不知品判断の厳しさを物語る言葉。グレーゾーンはとりあえず本座としておくそうです。
②刻印が見えないと思っても完全な無刻印ではないことが多いよ。
 ※磨り減り、小刻印、はみ出し、瑕に見えるものだってあるということ。大量生産だから雑になることもあるとのこと。
③青さびは焼けた品に現れることが多い。全体が青さびに覆われたようなものは買うな。
 
※焼け伸びのあるものは目が狂いやすい。
④秋田細郭の純黄と純赤は少ない。ただし赤みを帯びたものは案外ある。
⑤秋田細郭の変造品は広郭の内側をすり減らしたあと、アセチレンバーナーで焼いている。(純赤の細郭には気をつけること。)
⑥本当の離郭細郭は少ない。
⑦薄肉のチャンピオンは0.9㎜の密鋳天保だ。
 
※K氏、仙人から極薄の密鋳天保(母子)を見せられました。私は魅せられましたが神様はぼそり一言。
⑧本座広郭の母銭は増郭痕跡のないほうが珍しく、その存在割合は20:1くらいだ。
⑨天保銭には錫母に管理番号を漆で書いたものがあったらしく、それが伝鋳された広郭母銭がある。(五~九)
⑩番号入りの広郭は四番以前は見つかってなく、数が大きいものほど存在が多い。
 
※仙人との談義で出た事実。増郭痕跡のない母銭は注意していれば拾えるそうです。
⑪本座銭は長郭→細郭→広郭→中郭の順につくられたのだよ。

 ※資料によっては中郭が細郭錫母に細い板で増郭して造られたとするものもありますが、今はこちらが主流のようです。
⑫秋田本座写は俗説で秋田は自藩で独自の母を作っていたのであのようなものはありえない。ただし、称:秋田本座写が東北地方に大量にあることは事実で、もしこれが仙台でつくられたというのなら納得できる。貨幣の鋳造があれだけさかんな仙台藩が長足寶類だけとは考えられないからだ。
 ※今は推論ですが将来は大化けする可能性があります。
南部民鋳(額輪の赤銅銭)について見解を聞いたところ、高知額輪の一種という答えが返ってきました。額輪に対する見識には自信があり、私が迷っていた銭も即座に見破り、不知広郭手縮形としたものも額輪小様(ただし相当小さいもの)と判断されました。
ただし、南部民鋳(額輪の赤銅銭)については仙人は秋田小様と同系統のものであるとの見解を示していますので、仙人と神様でも見解が違うことがあるのだなぁ・・・と感じました。

お人柄のせいか相手を論破したり頭から否定するということは仙人、神様ともありません。あくまでも『私はこう思う』『こういう考え方もある』という態度であり、たとえ贋作だと判断してもそれを言下に否定しない・・・ただ、『私は買いたくない』の一言でその場を済ませる紳士でもあるようです。
合流した天保仙人氏には
斜珍の他、朝鮮天保の錫母、銅母、原母を見せてもらいました。斜珍は貼り合わせ技法が確認でき、縦ずれのほかに横ずれの痕跡がはっきり読み取れました。とくに横ずれは銭体がねじれたような格好であり、よく型ぬけしたなぁと感心します。この銭は見切り銭が銭の厚みの中央にあるからこうなったのだろうなぁ・・・と推定しております。
朝鮮天保のすごい出来栄えには驚きを覚えました。さらに
改造母天保も拝見。とくに濶字退寶の改造母と子銭はすごかった。薄っぺらでとてもラブリーです。その他にも収穫はたくさんありました。噂には聞いておりましたがM氏にはカードマジックも見せて頂きましたが、プロ級の技であり神技でした。

肝心なオークションですが古金銀の途中から戻って参加。豆板銀は予想以上に弱かったものの小判、皇朝銭でやや持ち直し、日本穴銭は比較的堅調でしたがやはり競り合いあまりなかったように感じました。
私が落としたのは
593番密鋳大字、594番密鋳俯永、619番不知長郭手、627番琉球大字平尾球桐刻印。593番と619番は降り損ねて予定価格をオーバーしました。
620番の玉塚は行こうかと思いましたが、結局12万円まで競り上がりあえなく降り。下見のとき、背の文字がタガネ彫り風で榮の文字が栄になっていたので心配していたのですが神様はこれは大珍品だよ日本に数品しかないとおっしゃられていました。(ただしM氏はこれを下見していなかったようです。)

意外なものが高額で落ちていて、例えば591番、592番の下点盛が2万円、10万円。595番、596番の銀銭も10万円超の価格で落札・・・これってファンタジーじゃないかなぁ。皆様病気が進んでいるようです。
真贋は判らなかったので手を出さなかったのですが背十錯笵銭は65000円。
芝不草点接郭大様は48万円、縮寛大様は28万円。逆トの母銭は105万円。筑前通寶はヒビ入りにもかかわらず45万円。祝鋳七福神銭は31万6千円でした。
本日の最高額は慶長大判の1305万円、次は慶長二分判金の510万円あたり。永楽金銭背桐の600万円や裏白二百円札400万円が不落だったのは景気の冷え込みを感じます。なにせ饒益神寶でさえ130万円がやっとでしたから・・・。

収穫はまずまず・・・と言いたいのですが、593番は密鋳じゃなかったです。下見では銅質と輪側面の仕上げが安政期風に見えたので、間違ってもさほど損のない金額で降りようと15000円くらいを想定しておりました。相手の方も同じ考えだったようでほぼ同時に札を降ろし、結局私がオークショナーの買って下さいコールに負けた格好です。とはいえこれは覚悟の購入ですので文句はいえません。買えずに悔しい思いをするより好奇心の充足を求めます。
594番は江刺系だろうなぁ・・・と思いながらももしかしての思いで購入4500円。やはり江刺でした。
619番
不知長郭手覆輪長足寶は3万円台なら買いと思い、4万円のコールと同時に降りたのですが、相手もまた降りて気の弱い?私が購入することになりました。とはいえこれは想像以上の極美品。魚子肌も美しくまるで仙台銭のようです。あるいは大化するかもしれませんね。これは結果的に大満足です。
627番の
琉球通寶大字平尾球桐刻印は桐刻印でなくても3万円台ならば良しと判断し落札。32000円なり。仙人に見ていただきましたが桐刻印で良かったみたい。仙人もあまりの安い出品だったので気になっていたとのこと。これはミニ掘り出しでしょうかね。
と、言うわけで本日の買い物は寛永銭は大負け、天保銭でやや勝ち、トータル無駄遣いという結果です。
余談ながら返りにクロークで聞くと駐車場の無料券を頂けました。パーティーをやるので宴会扱いになっているようです。田宮社長、ありがとうございました。(私はこの事実を知らず何年もホテルに寄付をしておりました。今思うとそのお金で今回の出費の半分くらいは出ていたと思います。)

本日は妻は仕事、子供は近所の知人宅にお願いをしている状況でしたのでパーティー前でおいとまをさせて頂きました。いつも参加できなくて申し訳ございません。
すぐに帰宅すれば良いもののロビーでさらにY氏とN氏と歓談。そのあとあわてて帰宅したものの自宅はもぬけのカラ。女房、子供ともどこかに外食に行ってしまったようで・・・。(帰宅が遅く、怒ってたのかもしれません。)
仙人様、M様、そして会場でお会いした皆様、どうもありがとうございました。

 
 
 
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