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14.長門銭様参考銭

長門銭を選出するため古寛永を銅質と背のみで分類していると、ときおりどっちつかずのものに出会うことがあります。ほとんどが銅替わりで処理されてしまいますが、長門銭はいろいろな書体を鋳写しているので、全く可能性を否定するのももったいない気がします。もともと銅質と制作だけで選定するのには限界がありますし、中間的なものもあると思います。ここに可能性のあるものたちを掲示しますのでいにしえの夢とロマンを感じて下さい。
 
仰永様?          【評価 5】
常陸国水戸で鋳造されたと確定されている書体です。この手のものの中には長門銭以上に長門銭らしい特徴を持つものがあります。掲示品がまさにそれで背の仕上げなど文句のつけようがありません。強いて難を言えば白銅質が美しすぎる点でしょうか?これを正式に長門銭と分類する古泉家もいますし、長門銭であることを否定したら長門銭の選定基準はどうなってしまうのでしょうか?
長門銭度 85%
長永手(濶縁)様?       【評価 5】
水戸銭系は長門銭に類似した作が多く、これもそのひとつ。濶縁ぶりが美しい。ここまでの濶縁縮字は譜外です。銅色はやや黄味を帯びるもののさほど矛盾はなく、背だけ見たら長門銭です。
長門銭度 70%
流永様?          【評価 6】
流永様の白銅質のもの。銅質は文句なし。背の様子は上掲のものほどではありませんが、長門銭だとしても問題はない範囲です。
長門銭度 60%
流永様?          【評価 5】
銅質、背ともに文句なし。この中でも、もっとも長門銭らしいものです。背の鋳ざらいが美しい白銅銭。
長門銭度 90%
浮永白銅銭         【評価 7】
浮永の白銅銭。銅質については長門銭としても問題ありませんが、文字の立ち上がりや背の制作については異なり、銅替わり銭の可能性が高いと思います。
長門銭度 15%
力永            【評価 8】
水戸力永銭にも長門銭風のものが散見されます。背の形状はまずまずのもの。銅質も長門銭に近いものがあります。あっても不思議はないと思いますが、この銭貨については長門銭として完璧なものではありません。
長門銭度 20%
星文手遒勁白銅質      【評価 7】
面側の雰囲気と銅質は文句ありませんが、背の様子がねぇ・・・。
長門銭度 5%
なお、本銭は力永に非常に似ているのですが、わずかに異なりこの銭籍に落ち着きました。(隔輪でなく離郭気味。)古寛永って本当に難しいと思います。

※力永低寛降水と分類されることもあるようです。
星刮去遒勁白銅質      【評価 7】
面側だけで判定したら長門銭としてしまうかもしれません。背郭の形状がいまひとつです。ただ、背輪の際に加刀痕があり、可能性がないとは言えません。なお、背星刮去遒勁の長門銭は実際に存在することになっています。要は収集家の判断しだいです。なお、上記の評価値は長門銭ではないものとしてのものです。
長門銭度 65%
※最近、長門銭で良いような気持ちに傾いています。どっちでしょうね?
星文手純白銅銭         【評価 5】
長門銭より白い?見事な白銅色。長門銭でもここまで美しいものはまずないと思います。ここまで純白だと逆に長門銭からもはずれてしまいます。文字の立ち上がりも鋭く制作も長門銭ではありません。
長門銭度 5%
勁永白銅銭           【評価 6】
白銅銭としては見事です。少ないと思います。でも長門銭としては背の制作はぜんぜんだめ。銅質もちょっと違うと思います。
長門銭度 10%
俯永削字短尾永様?      【評価 4】
俯永短尾永自体が非常に貴重ですが、その長門銭様です。刔輪によって文字が隔輪し永フ郭が仰ぎ、永尾が短くなっています。銅質は長門銭で問題ないのですが、背の感じはどちらとも言えません。ただ、面文の削字変化と銅質、背の深さから長門銭としても問題ないものだと思います。
長門銭度 55%
俯永伸寛濶縁様?      【評価 4】
これもやや珍しい銭貨なのですが白銅質です。背の彫りは深いのですが制作、銅質ともなんとも言えません。非常に微妙・・・しいて言えば違うかな?・・・そうとしか言えません。
長門銭度 45%
岡山縮字様?        【評価 9】
面文が岡山縮字でなければ長門銭と判定してしまいそうなもの。非常に長門銭に近い感じを持っています。(この銭貨は穴銭の専門店で実際に長門銭として販売されていました。不思議に思いながらも購入してしまいました。)ただし、岡山銭系はかなり長門銭に近いものがあり、中間的な存在も多いのです。
長門銭度 20%
密鋳銭 異永写し        【評価 7】
ちょっと珍しい長門銭異永の直写し密鋳銭です。状態はさすがに悪いのですが、少ないと思います。もちろん、長門銭ではありません。参考までに・・・。
長門銭度 0%
長門銭 裕字離用通      【評価 8】
手本銭ばかり見てきたのでちょっと判らないかもしれませんが、明らかに長門の通用銭でありながら背郭が丸くならないもの。背郭は反郭気味でそれだけを見たら長門銭には見えません。背郭による分類が完璧なものではないということを示しています。
長門銭度 100%
長門銭 広永様背反郭    【評価 6】
旧水戸銭(本ホームページでは水戸広永銭)に広永背異という分類がありますが、私にはよく分かりません。前掲品同様に背は分類のための重要なポイントですが、絶対的なポイントではないと思います。本銭はその材質など総合的に判断して私には長門銭としか分類できません。それともこのようなものを広永背異とするのでしょうか?
長門銭度 70%
信濃松本銭 斜寶        【評価 7】
まぎれもなく信濃松本銭です。やや白銅質で仕上げのとてもきれいなものがあり一瞬、長門銭を思わせます。外径も25.4oもありました。原品はきれいで私好みの一品です。可能性はあるのでしょうが・・・。
長門銭度 1%
坂本銭 正永           【評価 8】
入札誌で長門様とありばからしいと思いながら、応札してしまいました。なるほど背は完璧です。銅質もまずまず。でも違うでしょうね。
長門銭度 5%
 
 
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