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【密鋳鉄銭の類】
  → 密鋳銅一文の観察箱
 
ここに掲示する鉄銭はすべて正規銭ではありません。正規のお金に混じって細々とあるいは堂々と流通したものばかりです。ほとんどが狙って獲得したものではありませんが、比較的状態の良い(とは言っても錆で真っ赤です・・・)ものを中心に拾っています。
密鋳銭ですから何でもありで、過大評価はできませんがおもしろいものばかりです。
寛文期あるいは正徳期亀戸銭写
多分寛文期亀戸銭の正字背文の背刮去写しだと思いますが、何分鉄銭なもので良く判りません。背文のあったところが盛り上がっているように見えます。この手のタイプで背文が明確に鋳写されているものに私はまだ出会っていません。(下に掲示するものがはじめてです。)
寛文期亀戸銭繊字狭文写
密鋳銭の背文としては最高の状態のものでしょう。輪は台形状に加工されていますが濶縁ぶりも立派で、市場の評価以上に少ないと思います。とはいえ所詮密鋳銭ですからね・・・。
改造母銭
寛文期亀戸銭繊字背狭文刮去の磨輪銭か・・・と、思っていましたたが、外周のやすり目(やや斜め横やすり)と内郭の角仕上から密鋳銭の母銭の可能性が高いと思います。ただし、テーパーはほとんどありません。銅色がかなり赤く、本炉銭と異なるように思われますが少し焼きが入っているようです。改造加工の際の工程なのでしょうか?同じことは下掲の改造母銭にも言えます。
改造母銭
古寛永の明暦小字の改造母銭だと思います。テーパーがはっきりとられていますが、郭内の仕上げはありません。銅色、砂目が本炉銭と若干異なり鋳写し銅母銭かとも思われますが内径は標準銭とほぼ同じで判断が分かれるところです。
重揮通無背写
仙台石ノ巻銭の重揮通無背を鉄銭に鋳写したもの。肉厚でなかなかしっかりした作です。
重揮通無背写磨輪
仙台石ノ巻銭の重揮通無背を極端磨輪した母銭から生まれたものでしょうか。
元文期亀戸銭大字写
元文期亀戸大字がきれいに鋳写されていて、思わず買ってしまいました。
寛保期高津銭細字写
寛保期の高津銭細字背元をそのまま鋳写したもの。密鋳鉄銭の割りには非常に上作。
寛保期高津銭中字接郭寶写
同じく寛保期の高津銭中字接郭寶背元をそのまま鋳写したもの。肉厚でしっかりした作。
葛巻銭目寛
文化年間、南部藩が飢饉救済のため、鹿角銭座において鋳造された正用銭が、後葛巻私炉において引き続き密鋳されたと推定されています。したがって、正炉銭と私炉銭が混在している訳ですが、風貌的には密鋳銭そのものであり、目的から言って正規銭とは一線を隔すべき存在でしょう。四宝銭の座寛を写したものと言われています。

→ 密鋳背千の類
葛巻銭見寛
明和亀戸銭小様あるいは舌千小様無背からの伝鋳と言われています。目寛とセットにされて扱われることが多いのですが、存在は目寛より少ないと思います。
葛巻銭水永
寛保期高津銭中字接郭寶背元が元になっていると思われます。ちょっと少ない存在で、寛永銭の鑑識と手引きには未掲載の存在です。
目寛(母銭)
小さくて出来の悪い母銭ですが、肉厚はしっかりあります。座寛を写したということがよく分かります。
見寛(母銭)
上の目寛に比べ広穿で雑なつくりです。外径も小さいことからこれは見寛の母銭でも末鋳的なものではないでしょうか?

(平成17年オークションネットXより)
水永(母銭)
画像からの判断ですが、踏潰銭を彷彿とさせます。はたしてこんな粗末な母銭から鋳造できるのかな・・・と、疑ってしまうつくりですね。
本来は守備範囲外の品なのですが、オークションネット(6)の古銭入札で思わず落札してしまいました。う〜ん、それにしてもみすぼらしい。こんなのに〇万円も払うなんて妻が知ったら卒倒すると思います。病気ですね病気!でも、実在数はかなり希少だと思われます。

(オークションネットの古銭入札誌6より)
明和期短尾寛写
明和期21波からの写しで、がっちりした作です。
俯永写
おそらく明和期俯永を写したもので、輪側が台形状に磨輪されています。そのため万延俯永よりかなり小さくなっています。
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